あなたside
今日は"ハロウィン"
私は百ちゃんに用意してもらった"狼"のコスプレ着た
かなり露出が多いが用意してくれたから
恥ずかしながらも着る
峰田くんや上鳴くんが鼻息荒くして
見てきて怖かったけど...
"コンコン"
"ガチャ"
"コツン"
拳を軽くおでこに当てられ怒られる
よく見るとお兄ちゃんの捕縛布が包帯になっていて
地味にミイラの仮装をしているのに気づく
どうせ頭にも巻こうと思ったけど
邪魔だから首だけにしたんだな...わかりやすい
そう言ってパンプキンの手さげに
大量の有名なお菓子と
今人気の行列ができるメロンパン屋さんの
限定メロンパンが2個も入っていた
そう言っておにぎりお弁当を受け取り
頭を優しく撫でてくれた
気持ちい...
お兄ちゃんには逆らえずお菓子を持ち
A組寮に帰っていると目の前に
狼の耳としっぽを生やし
モコモコジャンバーを羽織った人がいる
あの後ろ姿って...!!///
振り返るとやっぱり回原くんだ
会えて嬉しい...///
ん?待って...今の私ってほぼ下着だよね...?
回原くんを見ると耳まで顔を赤くし
金魚のように口をパクパク動かしていて
自分の格好が恥ずかしいのをようやく理解し
私は顔を赤くしながら体を隠した
2人で深呼吸をし1回落ち着いた
"ファサッ"
上からモコモコのジャンバーが被さり
前のジッパーを閉められる
ブカブカ...それに回原くんの匂いがする...///
あ...もう帰っちゃうんだ...
寂しくて俯くとメロンパンが目に入る
そう言ったベンチに座り
美味しそうなメロンパンを口に運ぶ
"パクッ"
うん...美味...
バターの味が高級でいいメロンパンだ...
メロンパンを食べ続けると
ふと回原くんからお菓子を貰っていないのを思い出す
勇気をだして聞いてみれば仲良くなれる...?
半ズボンのポケットから"シール"を出し
ジャック・オー・ランタンとハートのシールを剥がす
"ペタッ"
頬っぺに貼れたのを確認し
満足気でシールをしまおうとしたら
回原くんからも聞かれてしまった
お菓子...作ったけど
後でB組に持って行こうとして置いてきちゃった...
"ペタッ"
そう言いながら私のシールから
回原くんから貼られてあるシールとは色違いを剥がし
私の右頬っぺに貼られた
そう言って2人で競争を始め
お菓子を交換し合いクラス合同で
集合写真を撮った
回原くんとは少しだけ距離が遠かったけど
同じ狼コスプレが嬉しくて
狼をイメージした写真立てに写真を飾り
ベットの傍に置いたのは
私だけじゃないと知るよしもなかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!