第35話

夏の庭で、星と花火
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2025/11/12 08:00 更新
夜になると、藤原家の庭は昼とは違う、静かで涼しい空気に包まれた。
夏休み初日の流しそうめん大会の余韻もまだ残っている。
大吾
よし、みんな集まれー! 花火やるで!
駿佑
おーっ!
流星
うわー楽しみ!
丈一郎
怪我せんようにな
恭平はライターを片手に、得意げに火をつける準備。
謙杜
これ、ほんまに火つくんか? めっちゃ怖いんやけど
丈一郎
大丈夫や。ちゃんと安全確認済みやで
和也はクーラーボックスから冷たい麦茶を取り出し、みんなに配る。
和也
外で飲む麦茶、やっぱうまいなー
流星
うん! おいしい!
恭平
オレも一口もらお
まずは線香花火から。小さな火が花のようにチリチリと光る。
流星
うわーきれい!
駿佑
ちょっと火近いで、気をつけや
丈一郎
大丈夫、オレ手伝うわ
流星は小さな手で線香花火を握り、目を輝かせる。
流星
きらきらするー!
和也
ほんまやな、星みたいや
恭平
オレの線香花火も負けへんで
謙杜
勝負ちゃうやろ
次は打ち上げ花火。丈一郎が慎重に設置し、大吾が合図を出す。
大吾
いくでー、せーのっ!
空に大きな花火がパーンと開き、色とりどりの光が夜空を彩る。
流星は思わず歓声をあげた。
流星
うわー! きれーい!!
駿佑
ほんまに、夏やな
恭平
オレ、ちょっと感動したわ
丈一郎は少し離れて見守りながら、みんなの顔を確認する。
丈一郎
みんな、楽しそうやな……
謙杜
丈兄も楽しんでや
丈一郎
うん、俺も楽しい
花火が終わると、流星は空を指さして言った。
流星
またあの花火見たい!
大吾
もちろんやで。来年もみんなでやろな
恭平
来年はオレももっと火つけるのうまくなる!
謙杜
いや、無理せんでええ
庭の隅では、和也が小さな懐中電灯で影絵を作って見せる。
駿佑
うわ、オレたちの影がめっちゃ動いてる!
和也
流星も一緒にやる?
流星
やるー!
そうして夜は更けていき、藤原家の庭は小さな笑い声と花火の光、そして星の輝きに包まれた。
夏休みの始まりは、こうして笑いと温かさで満ちていた。

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