第13話

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2024/09/28 00:16 更新
風呂から上がって保湿した後、フィリックスはヘアオイルをつけドライヤーで髪を乾かし始めた

なんで髪の毛は自分でやりたがるのか分からないけど、本人が楽しそうだから良いとしよう



その間に歯磨きを済ませて先にリビングに戻る





しばらくするとフィリックスが仕上げ磨きをされにきて、それも終わってソファでテレビを見ながら寛いでいると フィリックスが隣に来て甘え始める

腕や足に尻尾を擦り付けたり、膝枕されたり、俺の手を頭の上にのせてみたりと中々可愛いことをするものだから ついされるがままにしてしまう



そうして穏やかな時間を過ごしていると突然2階から何かが落ちたような鈍い音がした




俺より先にフィリックスが階段を駆け上がっていくので急いで追いかける







フィリックスがドアを開けたのは俺の部屋で、驚いたように口を開いた




「何してるの?」





一体何がいるんだ…?と中を覗くと、フィリックスと同じ白い猫の獣人がいた

フィリックスより少し幼いだろうか




そして初めてうちに来たフィリックスよりボロボロで、酷い怪我をしている





「リクス、知り合いか?」

「ううん、知らない…」


「窓から入ってきたのか?よく登ったな
とりあえず怪我の手当をしようか」

「…」



逃げられないようにさっさと窓を閉めて、リクスに風呂場に連れていくように言う



「わかった」

「それから、服も貸してくれるか?」

「うん、いいよ」





俺もリクスに使った包帯の残りと傷薬を用意して、急いで風呂場に向かった





ものすごく抵抗されるが仕方ないことだと割り切ってさっさと風呂に入れる

シャワーをかけるとより暴れるから片手で完全にホールドして逃げられなくして急いで全身を洗う





風呂から上がるとリクスが服を用意して待っていて、俺の疲弊っぷりを見て身体を拭くのを手伝ってくれた



「ばんざーい」

「…」




リクスの言うことは素直に聞くらしい

同族だからだろうか





薬を塗り、包帯を巻き、ようやく服を着せて保湿して髪を乾かし終わる頃にはヘトヘトだった




その後ご飯を温め、リクスの時と同じように1口食べてから差し出してやる


夢中になって食べるところまで一緒だけど、こっちの方が警戒心が圧倒的に高い




「美味しいか?」




問いかけても反応は無し

けれどしっぽの揺れは抑えられないみたいだ





食べ終わった食器を洗っている間にフィリックスが歯ブラシを渡して歯を磨かせていた

俺が近づこうものなら毛を逆立てて威嚇してくるからリクスがいなかったらどうなっていたことか




「俺はソファで寝るから、俺の部屋で寝てくれるか?」

「ううん!僕はヒョンと一緒に寝るから僕のベッド貸してあげる!」

「まあ…俺の匂いが染み付いた布団で寝るのは嫌かもしれないし…そうだな」

「やった!こっち!」




兄のように手を引いて部屋まで連れて行ってしまった…弟みたいで嬉しいのだろうか



あの子も引き取るとなると…金銭面は問題ないが…付きっきりで面倒を見る訳にも行かないだろうし…

これは何か案を考えなければ



「布団に入れて電気消してきたよ!」

「ありがとな、色々助かったよ」

「早く寝よう?」

「そんなに眠たいのか?」

「ううん!ヒョンと一緒が嬉しいの!」



布団に入るとぎゅっと抱きついてくるリクス

いつにも増して甘えん坊で可愛くて、昼と同じように抱きしめて眠りについた




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