Side - YORU
何度も 、何度も 、
その存在を手の感触で確認するように 、
縋り付いて抱きしめた 。
信じられない 。
でももう顔を上げればすぐそこに 、
ヨヌオッパがいるという事実に
体の芯から震えが起こる 。
こんなにも近くに 、
息をして 、動いていて 、歌っている
兄がいるのだ 。
もう何年会えなくて泣いたことか 。
もしかしたら 、もう無事ではないのかも 、
そう何度考えたらだろうか 。
笑ってるし 、話してるし 、
私の言葉にしっかり返事をしてる 。
現実なんだって実感が湧いてきて
ありったけの思いを込めて歌ったメッセージが
届いたんだと思った 。
弟たちが歩み寄ってきて 、
いつしか私より高くなった体で
ぎゅっと抱きついてきた 。
「「 ヒョンは黙って ! 」」
オッパにつままれながら
サプライズを企画してくれたみんなの元へ
連れて行かれる二人 。
そんな兄弟たちを追いかけようと
花道の方を見ると 、
今私が住んでいる家の中で
昔弟たちが悪戯して兄に引き摺られていたことを
思い出して目頭が熱くなる 。
こんな光景 、
もう死んでも見られないとばかり
思っていたから 。
肩をトンと叩かれて
うれしそうに向かって行くジャニオッパを
私も追いかけた 。
この頃メンバーたちは …
あなたが心から笑ったのを
初めて見たような気がして 、
ジェミンはふっと微笑んだ 。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。