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小説
ノンジャンル
落下少女
幸せの象徴
そうだね、次は「幸せの象徴」の世界の話をしようか。
少女が8つ目の世界の話をする。
世界はね、何かと幸せになりたがるんだよね。
少女が人差し指を立て口元に当てる。
でもね、私は思うんだ。
少女の声は、落ち着いていて綺麗だ。
別に幸せなんかにならなくてもいいんじゃないかと思って。
少女は落ちる。
幸せなんか求めるから不幸せができてしまうんだよ。
そもそも、幸せとかいうものが無ければ
不幸せな人も、死にたい人も、消えてしまいたい人も、
復讐も、憎みも、感情も
性別の概念だって
全てが消えてくれるんじゃないかと思って…。
少女の声が少し震えているように聴こえる。
だから、幸せなんか無ければまた、3人でかけっこができる…よ。
少女の頬が光る。
…鳩とか、オリーブとか勝手に幸せの象徴とかされてなんか可哀想だよね。フフッ
少女が微笑む。
フフフッ…わっ!!
少女の目の前をオリーブを加えた鳩が通る。
………グシャッ
少女が鳩の首をを握りしめる。
…ブチッ、グシャッ。
少女が鳩の首と体を離れ離れにしてしまう。
フフッ!これで幸せがなくなるね!!
少女がにこやかに笑うと幸せそうな声をする。
フフフッ!フフッ…。ハハッ!ハハッ!
少女の笑い方が変わっていってしまう。
ハハッ、ハッ…。
はぁ…。
少女がため息をつく。
……
落ちてたらかけっこできねぇじゃねえか。
少女が自分に問を投げかける。
さあ、今画面を見ているお前らリセットと言え。言わないと困るのはお前だぞ?
俺たちが惜しくないのか。