誰かが私に話しかけています 。
姿は見えませんけど 、 声は聞こえます 。
私はいつも通り 、 笑顔で答えます 。
姿が見えない奴を私は化け物と言うことにしました 。
最初 、 何を言っているのか分かりませんでした 。
でも 、 心当たりがあったのでした 。
私は笑顔のまま 、 嘘をつきます 。
お母様が人が幸せになる嘘はいいと言っていたので 。
心がズキっと痛む感じがします 。
心の奥底で思っていることなのでしょう 。
こんなの嘘に決まってます 。
私は期待されることがとても光栄と教えられてきたので 。
そもそも 、 化け物の言うことなんて信用できません 。
当たりが漆黒に飲まれます 。
微かに見えてた景色も見えなくなります 。
私は本能的に 、 危険と察知します 。
ブツブツと言葉を並べています 。
その言葉は絶対私に向けられています 。
だって 、 これら全て知りたくない私の本心なのですから 。
お母様は有名なお医者様 。
お父様は有名な政治家 。
そんな私を皆期待するのです 。
私は期待に応え続けてきました 。
ですが 、 それももう終わりのようです 。
一気に視界が明るくなりました 。
私が今見えてるのは知らない天井です 。
さっきのは夢なのでしょうか 。
次々と疑問が浮かんできます 。
しかし 、 反対に疑問に答える人はいません 。
どうしましょう 。 ため息がこぼれてしまいました 。
私は扉の外からじっと見つめる菓子さんに向かってそう問いかけます 。
菓子さんが訪ねてきたのに 、 何故喋らないのか疑問に思います 。
その影響でお互い 、 気まづい沈黙が流れます 。
何を言っているのかさっぱり分かりません 。
私は生きていたいに決まってます 。
嘘つくも何も 、 私は生きたいんです 。
何故こんなことを聞かれたのでしょうか 。
頭の中がハテナで埋め尽くされます 。
沢山の情報が脳で処理しようと頑張っています 。
私は菓子さんに刺された ?
私は死にたいと思ってる ?
そう言って 、 菓子さんは部屋を出てきました 。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。