少したったら何故か瑛宜くんはまた私の前に立っていて、優しい顔をしてはぐれたのか聞いてくる。
って少し笑いながらも優しい声で言ってくれるからまた惚れちゃうの。
落ち込んでるのもあって下を向いて言うと瑛宜くんの手が私の手首を掴んで
って。
悲しい出来事が多くて気分が落ち込んでたけど、瑛宜くんの魔法のような言葉で下を向いてた顔が上がる。優しいお顔を向けてる瑛宜くんが、ん?って返事を促すように首を傾げていてかわいい。
手首を掴んでた手が私の手に移動して、再び人混みの中に入っていく。足が痛いことも忘れていて、瑛宜くんと会えて一緒に見られるなら友達にはとても申し訳ないけどこれでも良かったかなって思えちゃう。瑛宜くんってば偉大。
ただ同じ電車に乗ってる無関係だったのがまさか、一緒に花火を見れるような関係になれるなんて。昔の私が聞いたら信じられないだろうな。
笑いながら言ってるけど正直瑛宜くんとならどこでもいい。
声に出てたらしくて顔が熱くなる。夜でよかった。
だんだん声量小さくなってたけど近くにいたから逃すことなく聞こえた。
すごく幸せな気持ちになってる今。微妙に空いていた後ろの方にある階段のような場所に腰を下ろして花火の開始を待つ。周りのみんなはカメラを調節していたり、ご飯を食べてたり…
焼きそばを袋から出すと目がキラキラしだしてる。そんなに焼きそば好きなのかな。
と言えば嬉しそうに受け取ってくれる。
食べながらお話してると花火が開始する放送とともに周辺の光が消えていく。みんなのワクワクしてるような声だけが響いてる中、始まりの1発の大きな花火が上がった。一発目から大きな花火だったから周りみんながわ〜とかすごー!という声が聞こえる。横からも。
さまざまな花火に見とれていると視線を感じて横を向けば瑛宜くんと目が合う。ドキってしちゃった。
なにそれ、照れる
軽く肩を叩きながら言えば瑛宜くんは
って花火の方を向くけどわたしの心臓の音はうるさくて、私が花火に集中できない。集中出来てないからか周りの人達を見ちゃって、斜め前らへんにいるカップルが視界に入る。ぴったり肩をくっつけて、女の子が花火をさして彼氏側が反応してる姿がかわいくて、羨ましくもある。
いつかわたしも瑛宜くんとあんな関係になったら幸せだろうなって思っちゃって、花火を見ながらも時々あのカップルもつい見てしまう。
ちょうど同じ目線のところに花火を見てキャピキャピしてる女の子がいて助かった。カップル見てたとかキモがられるに違いない。
タイミングよく花火の音が重なって、さっきより耳との距離があったのもあって瑛宜くんの声はかき消されたけど、口の形からわかった。瑛宜くん今私の事可愛いって言った。私の勘違いじゃ無ければだけれど。言った本人はもう前を向いて花火を見てるから再び暴れだした心臓をどうにかして落ち着かせる
落ち着いた頃にはもうクライマックスに入ろうとしていて、さっきまでスマホで撮ってなかった人たちも動画を回し始めてる。充電がないから、一瞬だけ写真を撮った。隣からもシャッター音が聞こえたから多分瑛宜くんも写真を撮ったんだと思う。
最後たくさんの綺麗な花火が上がり終了した。みんな帰りの電車のためにどんどん立ち上がって動き出す。
無言の時間が少しできて、なにか話そうって思って口を開けた時
瑛宜くんの声。
そんな顔ずるい。
そう返せば
約2週間後。瑛宜くんと会う予定が生まれた。何するか決まってないけど会えるだけで嬉しくてモチベができた気分。さっきよりも人が減ってきてそろそろ動くことにして立ちあがる。だいぶ休めたからか足の痛さは減った気がして瑛宜くんとの会話にも集中出来そう。
駅までの長い列も瑛宜くんと話してればもう改札を通れるくらいになって、ホームに向かう。
体調悪い時を思い出す。その時も誤魔化す私にこうやって聞いてくれたっけ
先頭付近に並べたから電車に直ぐに入れて2人とも座ることが出来た。夏祭り大好きだけど歩くし暑さですごく疲れるな、眠くもなっちゃったし。
瑛宜くんのお話聞きたかったけどなぁ
睡魔には勝てなくてまぶたを開けたのは最寄りのひと駅前。瑛宜くんの肩に寄りかかってたらしい。
ってなぜか瑛宜くんも私の最寄りで降りる。改札も出てるし。
瑛宜くんのお言葉に甘えて家までの少しの時間瑛宜くんと話しながら歩く。数分もすればもう着いちゃって、すごく楽しかったからばいばいしたくないけど夜遅いしまた会えるし
瑛宜くんが角を曲がるのを見届けて家に入る。家に入って洗面所で手を洗ったあと鏡をみたら幸せそうな顔してる自分がいて、またまた恋の偉大さに気がついてしまう。シャワーを浴びて寝る前に友達に今日のこと謝るとすぐにみんなから優しい言葉をもらって友達にも恵まれてるなと感じた。
そのまま今日は幸せに浸ったまま目を閉じた。次に幸せに浸るのは2週間後かな、とびきりかわいくして瑛宜くんに会わないと。
ダラダラと生活していれば2週間なんてすぐに過ぎて気づけばもう瑛宜くんと遊ぶ当日を迎えた。幸せな祭りの後、どこに行くか悩みに悩んでたら、ちょうどお父さんからもらった水族館のチケットがあるのを思い出して水族館に行くことに決めた。
次でラストになります🍀*゜












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!