「ねぇ、モモ。ツウィがさ弁当忘れたらしくて持っていってくれない？」

いやや、行きたくない。だってツウィは学校の人気者。
目立っているから話しかけづらいというのに。

でもオンマには逆らえない。行くしかないんや、

ツウィも私のことが嫌いだと思う。

私もツウィの事が苦手。

態度もデカくて生意気だから、

ーーー

弁当を届けるためにツウィが居るはずの教室練に来ていた。

はぁ、ほんまにいややぁ、

なんで忘れんねん。弁当を。あんなでっかいんやから普通は気づくやろ。ばか…

どうせ、どっかフラフラしてるんやし…

いなかったらクラスの子に頼めばいっか。

しかし、その望みは数秒後に打ち砕かれる

「あれ？…モモちゃん？」

「ぁ、ツウィちゃんか。」

「ツウィちゃん〜！お客さんだよ！」

いるのか、

クラスメイトが叫んだ瞬間、目がこちらを向いたことに驚く

仲間と楽しそうに話していたツウィが私を見るとむっつり
表情を変えた。

まるで怒ってるように。

ズンズンと目の前に大きな影が現れ

ガンッ！と扉に手をかける。

重い弁当をツウィに押し付ける

ツウィは無言で弁当を受け取り、ジッとずっと見てくる。

大きな黒い瞳に見つめられるだけで居心地が悪い

もうこの教室練には二度と行きたくないし…

流石にむかつく。

その言葉にムッとしてつい睨んでしまった。

はぁ、だから関わりたくないんよ…

「あの人、誰なの？ツウィちゃん」

「えぇ、なにそれ笑」

後ろから聞こえる会話もむかつく。

私はツウィを育ててやった姉やぞ？

なのにその態度。よく分かんないじゃないわ。

ツウィが大好き"だった"姉なのに…

あーあ、昔はほんまに可愛かったのに

オンニ、オンニって言って服掴んでずっと離さんかったり、ついてきたり、抱っこ、抱っこって甘えてきてさ。

人見知りだったから、知らない人が居ると私の後ろに隠れるしさ、

しかも、姉の私よりもでかくなってるし、

ほんまにむかつく。

ツウィに対しての愚痴をぶつぶつと並べながら自分の教室に戻る。