第32話

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2019/05/15 07:23
7月。
北人の最後の大会の日。



最近の私たちは、なんだかギクシャクしている。
部活や、勉強が忙しいからなのかな。
登校中も沈黙が続く。
周りのみんなからも心配されるほど。
私は北人に振られるのが怖くて、何も言い出せずにいた。
だからね、今日の大会も行けないから
”頑張って💪”
とだけLINEで伝えた。
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次の日。
いつもの朝。
だけど今日は違う。
隣にいるはずの北人がいないんだ。
昨日の大会で頑張りすぎて熱を出したらしい。
だから今日は一人で登校する。
また、後ろで声がする。
「今日彼女1人じゃん」
「え!まさか別れたとか?」
別れてねーよばーか。
なんて、言えない。









佐藤ゆき
佐藤ゆき
あなたおはよ!
あなた

あ、ゆきおはよ

佐藤ゆき
佐藤ゆき
あれ?北人くんは?
あなた

熱だってー

佐藤ゆき
佐藤ゆき
じゃあ帰りお見舞い行かないとね!
あなた

迷惑じゃないかな?

川村壱馬
川村壱馬
迷惑じゃねーよ。嬉しいだろきっと
あなた

わ!壱馬くん!

佐藤ゆき
佐藤ゆき
急に来んなバカタレ
川村壱馬
川村壱馬
あぁん?


出た。いつもそーやって喧嘩する。
でもそれは2人が喧嘩するほど仲がいいっていう証拠だよね。
私意外と2人の喧嘩を見るのが好きなんだよね笑
もうほんと、
あなた

付き合っちゃえばいいのに〜

川村壱馬
川村壱馬
は?!
佐藤ゆき
佐藤ゆき
は?!
あなた

ハモってるし笑



この2人といると嫌なことも忘れられる。
なんて幸せなんだろう。
ありがとう。
ふと、そう思ったんだ。

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