7月。
北人の最後の大会の日。
最近の私たちは、なんだかギクシャクしている。
部活や、勉強が忙しいからなのかな。
登校中も沈黙が続く。
周りのみんなからも心配されるほど。
私は北人に振られるのが怖くて、何も言い出せずにいた。
だからね、今日の大会も行けないから
”頑張って💪”
とだけLINEで伝えた。
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次の日。
いつもの朝。
だけど今日は違う。
隣にいるはずの北人がいないんだ。
昨日の大会で頑張りすぎて熱を出したらしい。
だから今日は一人で登校する。
また、後ろで声がする。
「今日彼女1人じゃん」
「え!まさか別れたとか?」
別れてねーよばーか。
なんて、言えない。
出た。いつもそーやって喧嘩する。
でもそれは2人が喧嘩するほど仲がいいっていう証拠だよね。
私意外と2人の喧嘩を見るのが好きなんだよね笑
もうほんと、
この2人といると嫌なことも忘れられる。
なんて幸せなんだろう。
ありがとう。
ふと、そう思ったんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!