第2話

君との出逢い(1)
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2026/03/02 13:33 更新
いつもの変わらない日常







会社に向かい、仕事をして誰もいない部屋に帰る







そんな平凡な日常







だけど、今日はいつもと違う日だった



















今日は休みの日







ベッドの上でいつもより遅く起き、部屋のカーテンを勢いよく開ける







すると、そこには雲ひとつない綺麗な青空が広がっていた







外はとてもいい天気だ







たまには外でのんびりするのもいいかもしれない







そうと決まれば、僕は朝風呂に入ったり、着替えたりと準備をする






そして、財布と携帯等の少ない荷物を持ち、家の扉を開けて外へ出た














特に行く宛てもないまま、のんびり歩く







本当にいい天気だ







心地よい風が当たって仕事疲れも吹き飛んでしまうようだ







家でゆっくりするのもいいけど、こうやって行く宛てもなくのんびり歩くのもいいなぁ












そう思いながら立ち止まり、綺麗な青空を見上げていると、ふと何やら足に違和感があった





🐶スンミン
🐶スンミン
ん?



僕は違和感のある足元を見ると



ドリ🐈‍⬛
ニャー
🐶スンミン
🐶スンミン
え?猫?



僕の足元に擦り寄ってきていた







僕はしゃがみ込むと、猫はゴロンと寝転がってお腹を見せてくる




🐶スンミン
🐶スンミン
ふふっ、かわい



野良猫だろうか…







それにしては毛並みが綺麗に手入れされているような







僕は周りを見回した







しかし、この子の飼い主でありそうな人が見当たらない







僕はいつの間にか人気の無い道にいたようだ







僕は寝転がってお腹を出している猫に聞いてみる




🐶スンミン
🐶スンミン
名前はなんて言うの?
…って言っても分かんないか
ドリ🐈‍⬛
ニャ



すると、猫が僕の問いかけに答えるように鳴いた



🐶スンミン
🐶スンミン
ふはっ、返事してくれたの?




僕が撫でようと手を伸ばそうとすると、お腹を見せながら僕の手に擦り寄ってくれた







そして、猫すぐに起き上がり、僕の方をじっと見ている







そして、人気のない路地裏へと歩き始めた










まるで、『着いてきて』と言っているかのように




🐶スンミン
🐶スンミン
…そっちに何かあるの?



僕はそう言うと、猫は足を止めて僕の方を見る







そしてまた歩き始める









どうやら、着いてきて欲しいのは本当みたいだ









僕は好奇心を胸に猫の後を追うように歩き始めた














しばらく歩き始めると、見慣れないアンティークのお店があった









人気のない路地裏にお店があるなんて、全然知らなかった









そう思っていると、猫がアンティーク店の方へ走り出し、その開いていた窓から中へ入ってしまった



🐶スンミン
🐶スンミン
あ!待って!




僕は走ってアンティーク店の中へと入る









カランカラン





🐶スンミン
🐶スンミン
し、失礼しまーす



中へ入ると、店の中もアンティーク風なデザインで、たくさんの人形たちが綺麗に並べられていた









ここはどうも、陶器のようなもので出来た人形が売られているようだ









10歳前後だろうか、全てが女の子の人形で美しいドレスが着せられている









どれもとても美しく、まるで本物の人間のようだった









だが、何か違和感がある









それは、どの人形も目が閉じられているのだ









何故だろうと思いながら、その綺麗な人形達に見惚れていると奥から声が聞こえた






バンチャン
バンチャン
いらっしゃいませ





声のする方を見ると、肩幅が広く、まるで優しい父親のような雰囲気の男性が笑顔で立っていた



🐶スンミン
🐶スンミン
あ、こ、こんにちは
バンチャン
バンチャン
こんにちは
ここに来られたのは初めてでしょうか?
🐶スンミン
🐶スンミン
は、はい…
素敵な店だったので、気になって入っちゃいました
バンチャン
バンチャン
ふふっ、嬉しいです
ありがとうございます



男性はそう言ってニコッと微笑んだ









すごく優しそうな人だな





ドリ🐈‍⬛
ニャー
🐶スンミン
🐶スンミン
あ、さっきの猫
バンチャン
バンチャン
え?
🐶スンミン
🐶スンミン
あ、す、すみません
バンチャン
バンチャン
…この子のこと、ご存知なんですか?
🐶スンミン
🐶スンミン
…えっと、実は…



僕はさっきまであったことを話し始めた





バンチャン
バンチャン
なるほど
ドリがあなたを連れてきてくれたんですね




ドリ…、ドリっていうんだ…



🐶スンミン
🐶スンミン
…はい、この子が『着いてきて』って言ってるみたいだったので…
バンチャン
バンチャン
そうだったんですね
ふふっ、これは運命かもしれないですね
🐶スンミン
🐶スンミン
運命…ですか?
バンチャン
バンチャン
はい、俺はそう思いますよ
バンチャン
バンチャン
あ、そうだ、名前を言ってなかったですね
俺はバンチャンと言います
🐶スンミン
🐶スンミン
あ、す、スンミンです
バンチャン
バンチャン
ふふっ、スンミンさん
是非、店内を見て回ってみてください
きっと、あなたに合う子がいると思いますよ
🐶スンミン
🐶スンミン
え?どういうことですか?




僕はバンチャンさんの言葉に疑問に思ってしまっていた




バンチャン
バンチャン
スンミンさん
プランツ・ドールってご存知ですか?
🐶スンミン
🐶スンミン
プランツ・ドール?
バンチャン
バンチャン
はい
プランツ・ドールは生きる人形のことです
🐶スンミン
🐶スンミン
生きる人形…
…え!?この人形たち!生きてるんですか!?
バンチャン
バンチャン
はい、そうなんです
今は眠っているだけですが、プランツ・ドールは波長が合う者と出逢わない限り、決して目を覚まさないんですよ
それ以外に目を覚ます方法がないんです
🐶スンミン
🐶スンミン
…そうなんですか





プランツ・ドール







生きる人形…







僕は聞き馴染みのない言葉に頭が追いつかないでいた







この人形たちと波長が合う者…







その者がいないと、決して目を覚まさない







本当にそんなことがあるのだろうか…







そもそも、人形が動くなんて…







でも、この人が嘘をついているとは思えない







本当なのだろうけれど、僕はまだ信じられないでいた





バンチャン
バンチャン
スンミンさん
🐶スンミン
🐶スンミン
…はい
バンチャン
バンチャン
スンミンさんに合う子、探してみませんか?
🐶スンミン
🐶スンミン
え?
バンチャン
バンチャン
ここに来たのもきっと運命だと思います
一緒に探してみましょう
🐶スンミン
🐶スンミン
は、はい



バンチャンさんは奥の方へと案内してくれた







僕はバンチャンさんに着いていく







すると、そこには表に置かれていた女の子のドールたちとは違い、少数ではあるが男の子のドールたちが豪華な椅子に座って並べられていた




バンチャン
バンチャン
この子の手を握ってみてください



僕はそう言われ、半信半疑でドールの手を握る







目の前のドールは金髪で髪が少し長く、顔のそばかすが星を散りばめたように綺麗な美少年だった





🐶スンミン
🐶スンミン
…目、開けないですね
バンチャン
バンチャン
うーん、きっと合うと思ったんですけどね
バンチャン
バンチャン
じゃあ、この子はどうですか?



そう言って、次の目の前のドールの手を握る







目の前のドールは茶髪で短く、髪が少し巻かれていて、まるでクオッカのような姿の可愛らしい少年だった




🐶スンミン
🐶スンミン
…この子も目を開けてくれないですね
バンチャン
バンチャン
そうですか…





僕は、ふと思ったことがある







ここには女の子のドールがほとんどだが、男の子のドールも置いてあったのだ







パッと見た感じでは男の子のドールは無かったように見えたからちょっと不思議だった







僕は疑問に思ったことをバンチャンさんに伝えた



🐶スンミン
🐶スンミン
…あの、男の子のドールも置いてるんですね
バンチャン
バンチャン
ええ、プランツ・ドールは女の子の姿をしているのがほとんどなんですけど
うちの店では少数ですが、男の子のドールも置いてるんですよ
女の子のドールは俺の祖父が作っているんです
🐶スンミン
🐶スンミン
へぇ、そんなんですか



なるほど、バンチャンさんのおじいさんが作ったのか







とても器用な人だったんだろうな







こんなに綺麗で美しいドールを作れるなんて本当にすごいや




バンチャン
バンチャン
それで…実は、男の子のドールは俺が作ったんですよね
🐶スンミン
🐶スンミン
え!?そうなんですか!
凄いですね!
バンチャン
バンチャン
いえ、まだまだですよ
🐶スンミン
🐶スンミン
そんなことないですよ!
僕が手を握ったこのドールたちもとても綺麗で可愛いです!
バンチャン
バンチャン
ふふっ、ありがとうごさいます





そして、バンチャンさんが次のドールの方へ案内しようとしてくれた時












僕はあるドールに目が吸い寄せられた











その子は、男の子のドールたちが置いてある場所とは少し離れた奥の方にあり、先程のドールたちと同じように豪華な椅子に座っている







そして、その子の傍にはドリとは違う猫が2匹、膝の上と足元に居て、寄り添うようにして眠っている









僕はゆっくりその子に近づいた










さっき手を繋いだドールたちよりも小さい…









というか、幼い…?







さっきの子たちが7歳ぐらいだとしたら…







この子は3歳くらいかな







見た目は本当に猫のような…、幼いながらもとても可愛らしい端正な顔立ちの美少年だった




ドリ🐈‍⬛
ニャー
🐶スンミン
🐶スンミン
あ、ドリ



見惚れていると、ドリがドールの方へ向かう







そして、足元へ擦り寄っていた







懐いて…いるのかな?




ドリ🐈‍⬛
ニャー、ニャー




すると、ドリが振り向き、僕と目の前のドールの方を交互に見て鳴いている









もしかして、ドリはこの子に会わせるために僕をここに連れてきたのかな…?









もしそうだとしたら…









本当に…運命ってあるのかもしれない









そう思っていると





バンチャン
バンチャン
スンミンさん
🐶スンミン
🐶スンミン
っ!



僕はハッとして振り返る









バンチャンさんは微笑んでいた



バンチャン
バンチャン
その子、気になりますか?
🐶スンミン
🐶スンミン
…はい
バンチャン
バンチャン
ふふっ、…この子の手を握ってあげてください
🐶スンミン
🐶スンミン
…でも、目を覚まなさかったら
バンチャン
バンチャン
大丈夫ですよ
きっと、目を覚ましてくれます




バンチャンさんにそう言われ、僕は目の前の可愛らしいドールの手を包み込むように優しく握る







ふるり







すると、目の前の可愛らしいドールの長いまつ毛が震え、ゆっくりとまぶたが開く







パチッ







そして、僕と目が合った







ぱっちりとした大きな瞳の中に、まるで星が住んでいるかのようにキラキラと輝いている



🐶スンミン
🐶スンミン
っ…!




可愛いっ…!



🐶スンミン
🐶スンミン
こ、こんにちは
りの
りの
??



目の前の可愛らしい少年は目を瞬きしながら、コテンと首を傾けて僕を見ている


🐶スンミン
🐶スンミン
 …っ、かわいっ
バンチャン
バンチャン
…ふふっ、目を覚ましてくれましたね



僕があまりの可愛さに悶えていると、後ろから声がした



🐶スンミン
🐶スンミン
はい…!
バンチャン
バンチャン
良かった




バンチャンさんは微笑みながらそう言った







目の前の可愛らしいドールはそのきゅるきゅるな瞳をぱちぱちさせながら、僕たち二人の顔を交互に見ている














これが僕と君との初めての出逢いだった





早速第1話です!




プランツ・ドールのリノちゃん!とても可愛いですね💖



リノオッパの兄弟である猫ちゃんたちが登場してます🐈🐈🐈‍⬛



猫に導かれて向かった先にアンティーク店があるってなんか良くないですか!?





是非楽しんでいただけると嬉しいです🤭







次の話もお楽しみに😊







それではアンニョン(*´︶`*)ノ





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