いつもの変わらない日常
会社に向かい、仕事をして誰もいない部屋に帰る
そんな平凡な日常
だけど、今日はいつもと違う日だった
今日は休みの日
ベッドの上でいつもより遅く起き、部屋のカーテンを勢いよく開ける
すると、そこには雲ひとつない綺麗な青空が広がっていた
外はとてもいい天気だ
たまには外でのんびりするのもいいかもしれない
そうと決まれば、僕は朝風呂に入ったり、着替えたりと準備をする
そして、財布と携帯等の少ない荷物を持ち、家の扉を開けて外へ出た
特に行く宛てもないまま、のんびり歩く
本当にいい天気だ
心地よい風が当たって仕事疲れも吹き飛んでしまうようだ
家でゆっくりするのもいいけど、こうやって行く宛てもなくのんびり歩くのもいいなぁ
そう思いながら立ち止まり、綺麗な青空を見上げていると、ふと何やら足に違和感があった
僕は違和感のある足元を見ると
僕の足元に擦り寄ってきていた
僕はしゃがみ込むと、猫はゴロンと寝転がってお腹を見せてくる
野良猫だろうか…
それにしては毛並みが綺麗に手入れされているような
僕は周りを見回した
しかし、この子の飼い主でありそうな人が見当たらない
僕はいつの間にか人気の無い道にいたようだ
僕は寝転がってお腹を出している猫に聞いてみる
すると、猫が僕の問いかけに答えるように鳴いた
僕が撫でようと手を伸ばそうとすると、お腹を見せながら僕の手に擦り寄ってくれた
そして、猫すぐに起き上がり、僕の方をじっと見ている
そして、人気のない路地裏へと歩き始めた
まるで、『着いてきて』と言っているかのように
僕はそう言うと、猫は足を止めて僕の方を見る
そしてまた歩き始める
どうやら、着いてきて欲しいのは本当みたいだ
僕は好奇心を胸に猫の後を追うように歩き始めた
しばらく歩き始めると、見慣れないアンティークのお店があった
人気のない路地裏にお店があるなんて、全然知らなかった
そう思っていると、猫がアンティーク店の方へ走り出し、その開いていた窓から中へ入ってしまった
僕は走ってアンティーク店の中へと入る
カランカラン
中へ入ると、店の中もアンティーク風なデザインで、たくさんの人形たちが綺麗に並べられていた
ここはどうも、陶器のようなもので出来た人形が売られているようだ
10歳前後だろうか、全てが女の子の人形で美しいドレスが着せられている
どれもとても美しく、まるで本物の人間のようだった
だが、何か違和感がある
それは、どの人形も目が閉じられているのだ
何故だろうと思いながら、その綺麗な人形達に見惚れていると奥から声が聞こえた
声のする方を見ると、肩幅が広く、まるで優しい父親のような雰囲気の男性が笑顔で立っていた
男性はそう言ってニコッと微笑んだ
すごく優しそうな人だな
僕はさっきまであったことを話し始めた
ドリ…、ドリっていうんだ…
僕はバンチャンさんの言葉に疑問に思ってしまっていた
プランツ・ドール
生きる人形…
僕は聞き馴染みのない言葉に頭が追いつかないでいた
この人形たちと波長が合う者…
その者がいないと、決して目を覚まさない
本当にそんなことがあるのだろうか…
そもそも、人形が動くなんて…
でも、この人が嘘をついているとは思えない
本当なのだろうけれど、僕はまだ信じられないでいた
バンチャンさんは奥の方へと案内してくれた
僕はバンチャンさんに着いていく
すると、そこには表に置かれていた女の子のドールたちとは違い、少数ではあるが男の子のドールたちが豪華な椅子に座って並べられていた
僕はそう言われ、半信半疑でドールの手を握る
目の前のドールは金髪で髪が少し長く、顔のそばかすが星を散りばめたように綺麗な美少年だった
そう言って、次の目の前のドールの手を握る
目の前のドールは茶髪で短く、髪が少し巻かれていて、まるでクオッカのような姿の可愛らしい少年だった
僕は、ふと思ったことがある
ここには女の子のドールがほとんどだが、男の子のドールも置いてあったのだ
パッと見た感じでは男の子のドールは無かったように見えたからちょっと不思議だった
僕は疑問に思ったことをバンチャンさんに伝えた
なるほど、バンチャンさんのおじいさんが作ったのか
とても器用な人だったんだろうな
こんなに綺麗で美しいドールを作れるなんて本当にすごいや
そして、バンチャンさんが次のドールの方へ案内しようとしてくれた時
僕はあるドールに目が吸い寄せられた
その子は、男の子のドールたちが置いてある場所とは少し離れた奥の方にあり、先程のドールたちと同じように豪華な椅子に座っている
そして、その子の傍にはドリとは違う猫が2匹、膝の上と足元に居て、寄り添うようにして眠っている
僕はゆっくりその子に近づいた
さっき手を繋いだドールたちよりも小さい…
というか、幼い…?
さっきの子たちが7歳ぐらいだとしたら…
この子は3歳くらいかな
見た目は本当に猫のような…、幼いながらもとても可愛らしい端正な顔立ちの美少年だった
見惚れていると、ドリがドールの方へ向かう
そして、足元へ擦り寄っていた
懐いて…いるのかな?
すると、ドリが振り向き、僕と目の前のドールの方を交互に見て鳴いている
もしかして、ドリはこの子に会わせるために僕をここに連れてきたのかな…?
もしそうだとしたら…
本当に…運命ってあるのかもしれない
そう思っていると
僕はハッとして振り返る
バンチャンさんは微笑んでいた
バンチャンさんにそう言われ、僕は目の前の可愛らしいドールの手を包み込むように優しく握る
ふるり
すると、目の前の可愛らしいドールの長いまつ毛が震え、ゆっくりとまぶたが開く
パチッ
そして、僕と目が合った
ぱっちりとした大きな瞳の中に、まるで星が住んでいるかのようにキラキラと輝いている
可愛いっ…!
目の前の可愛らしい少年は目を瞬きしながら、コテンと首を傾けて僕を見ている
僕があまりの可愛さに悶えていると、後ろから声がした
バンチャンさんは微笑みながらそう言った
目の前の可愛らしいドールはそのきゅるきゅるな瞳をぱちぱちさせながら、僕たち二人の顔を交互に見ている
これが僕と君との初めての出逢いだった
早速第1話です!
プランツ・ドールのリノちゃん!とても可愛いですね💖
リノオッパの兄弟である猫ちゃんたちが登場してます🐈🐈🐈⬛
猫に導かれて向かった先にアンティーク店があるってなんか良くないですか!?
是非楽しんでいただけると嬉しいです🤭
次の話もお楽しみに😊
それではアンニョン(*´︶`*)ノ














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。