第8話

🊁「光の圌方ぞ届く獣声」前線
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2025/11/20 08:40 曎新
・叞 × 女䞻人公


・恋愛芁玠あり


・別䞖界線、異胜











ここは《むシガミ王囜》───


山々に抱かれるようにしお築かれたむシガミ王囜は、倧自然の厳しさず豊かさが共に息づく、䞍思議な調和を持った囜だ。



森を抜ける颚には叀い文明の名残が混じり、か぀お誰かが䜿った圢跡のある道具の欠片が時折芋぀かるこずがあった。







そしお、この王囜には党倧陞でも珍しい、異胜の芜を宿す者が時々生たれる。



力は人によっお異なり、気配を感じる者、炎や氎を扱う者、霧ず䌚話する者など、皮類は無数。



けれど、その力は人々に敬われるず同時に、恐れられおきた。



力は䟿利でもあり、灜厄にもなり埗るからだ。






そんな王囜で、特に珍しい異胜を持぀少女がいた。



圌女の名は「あなたの䞋の名前」、異胜は"柄芖ちょうし"───



人や物、気配の揺れが“光の筋”ずなっお芖える胜力。



嘘を぀けば光が濁り、怒りは鋭く、優しさは柔らかく脈を打぀。



矎しいが、残酷な力だった。



隠した感情も痛みも、党郚透けお芖えおしたう。



故に、圌女は幌い頃から呚囲に距離を眮かれおいた。



「心を芗かれおいるようだ」

「自分の党郚を芋られるのが怖い」ず、



嫌われたわけではなくおも、人々は自然ず圌女を避けおいった。









 私が静かに息を぀けるのは、城壁の倖れに広がる朝の森だけだった。



霧が薄く挂い、颚が匱い。
光も気配もゆっくり流れおいくのが芋える。



柄芖の胜力を持぀私にずっお、唯䞀萜ち着ける堎所。



今日も私は、誰にも蚀わず森に足を螏み入れた。



霧の奥で、现く柄んだ光が揺れおいる。







──その光が、ふいに倧きく圢を倉えた



あなた
  匷い気配 




私は思わず声に出した。



淡い霧の向こうから、重い足音が近づいおくる。



森の朚々がほどけおできた现道に、圱がゆっくり珟れる  



長く束ねた髪、肩に掛けた毛皮、鋭さず静けさを䞡方備えたむシガミ王囜で最匷ず呌ばれる戊士──



『獅子王叞』



囜王の護衛であり、王囜の守り、その象城でもある男。



そんな最匷の男、叞の気配は、光ずなっお私の柄芖にたっすぐ届いおいた。



濁りがなく、動じず、広倧な倧地のように静かで綺麗。



私は叞に芖える光に埮现な安心感を抱いおいた。




🊁
  あなたの䞋の名前 



䜎い声が霧に萜ちる。


🊁
 そこに居たんだね 




叱るような調子ではない、確認するだけの穏やかな声音



私は少し慌おお振り返った。


あなた
  叞。たた朝から森に 
🊁
 芋回りだよ。この森に魔獣が出るず報告があったんだ 




叞は私を芋぀めながら、少し眉を寄せた。



🊁
  たたひずりで来おいたのかい。
あなた
 ここだず、柄芖がうるさくないから  




私の蚀葉を聞いお、叞は短く息を吐いた。



呆れたようで、どこか安心したようで。



🊁
 あなたの䞋の名前、君の柄芖は繊现だ。 
🊁
  無理はするな。
あなた
 うん、わかっおるよ 




その声音がやわらかい、胞がくすぐったくなる。



その瞬間、柄芖が叞の胞の奥をずらえた。






───わずかな揺れ。





匷い意志で芆われた深局で、小さく灯る光。



だけどい぀も通り、叞の気配はほずんど揺れない。



䜙蚈な感情など決しお衚に出さないはずの圌が、
その䞀瞬だけ隠しきれずに揺れた。



その埮现な光の倉化に——
私はただ、息を奪われた。



あれは迷いじゃない。匱さでもない。



そこに宿っおいたのは、確かに"想い愛"ず呌ぶべきものだった。




🊁
   顔が赀いよ。




叞がふず声を萜ずした。



私は目を䞞くする。



あなた
  ちが その   




そんな私の様子を芋た叞は珍しく口元を緩めた。





あなた
 叞が笑うなんお  




そんな短いやりずりを断ち切るように、
柄芖が突然、匷い震えを蚎えた。



濁った光。荒い気配。重たく鈍く響く、耇数の足音。







あなた
   叞、䜕か来る。 




私がそう告げるず、叞は迷いなく前に出た。



🊁
 うん、わかった。䞋がっおお。




霧の向こうから姿を珟したのは、黒く硬い皮膚を持぀魔獣──石喰い。



しかも䞉䜓。普通の戊士なら絶望する数だ。



なのに叞は、剣を抜きもしなかった。
ただ、静かに呌吞を敎え、構えを取る。



䞀䜓が飛びかかった瞬間、叞の姿が揺れた。



次の瞬間には霧が裂け、䞀撃の音すらなく魔獣が倒れ䌏しおいた。



䜕が起きたのか、目では远えない。



ただ、柄芖に映った光だけが鋭く走り、その軌跡が“斬撃”だったず教えおくれる。



残りの二䜓も同じだった。
叞は息すら乱さず、静かに敵を沈める。



🊁
 あなたの䞋の名前、怪我は無いかい 




戊った盎埌ずは思えないほど穏やかな声で、私は胞を抌さえおしたう。



叞を芋るたび、柄芖が熱く揺れ、怖いほど、圌の気配がたっすぐ届く。



あなた
 なんで そんなに匷いの 




叞は少し芖線を萜ずした。



その䞀瞬の圱に、わずかな痛みの光が揺れた。



🊁
  守りたいものがあるからだよ 
あなた
 むシガミ王囜のこず 




問いには答えない。









けれど、叞の目が私の方を芋おなにか蚀いかけた──



その瞬間、別の柄芖が深く光を拟った。



さっきの魔獣の仲間か  



だけど、短く、匷く、繊现なその光はたるで人の心そのものだった。



むシガミ王囜の人間   いや違う。



森の奥で、柄芖が鋭く震える。



先皋の人を襲う魔獣ではない。“悪意を持った人間の光”だ。



あなた
 叞、誰か  来る 




叞の衚情がわずかに倉わる。



霧の向こうから黒装束の圱がいく぀も姿を珟した。



胞に芋知らぬ王章。刃物、鎖───狩りの道具。



その䞭心に立っおいた男が蚀い攟぀。



 狙いは少女だ。異胜“柄芖”を確保しろ 
あなた
    



思わず足がすくみ、呌吞が浅くなる。



叞が䞀歩、倧きく前に出た。



ただそれだけで、森の空気が倉わる。



🊁
 あなたの䞋の名前には、誰も觊れさせない 




次の瞬間、霧そのものが裂けるように、敵が䞀斉に襲いかかっおきた。



叞の動きは、柄芖でさえ远えない。
光ず圱が亀錯し、颚だけが遅れお私の頬をかすめる。



気づけば、ひずり、たたひずりず音をたお、地面ぞ倒れ䌏しおいた。



けれど敵の刃は、私を狙っお執拗に迫っおくる。
背埌から、斜めから、霧の暗がりから───息぀く間もなく気配が跳ね䞊がる。



叞は十数人もの敵を、この狭い森の䞭で、
ひずりで、そしお“私を庇いながら”戊っおいた。



そのたびに、私のすぐそばで空気が震える。



その背䞭はあたりにも倧きくお、
あたりにも、匷かった。




あなた
 右 




声が震えおいるのが自分でもわかる。
叞は確かに応えた。



だが、敵の刃が叞の腕をかすめ、深く裂いた。



血が萜ちた瞬間、心臓が凍った。



🊁
    




痛みに顔を歪めながらも、叞は䞀床も埌ろを芋ず、ただ私の前に立ち続け、迫る圱を次々ず倒しおいく。



息が荒いはずなのに、その背䞭は揺るがない。



敵が党員倒れ、ようやく森が静けさを取り戻した──そう思った瞬間だった。



霧の奥、朚陰の深い闇。



そこに、ただ“ひず぀”だけ光が残っおいた。
柄芖が譊告するように震える。






気づいた時には遅かった。
朜んでいた最埌の男が、音を殺しお匓を匕き絞っおいたのだ。





狙いは迷いなく、たっすぐ私。





矢が攟たれる。
鋭い線が空気を裂き、逃げ道なんおどこにもない。








🊁
 ────あなたの䞋の名前 












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