第23話

気遣い
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2025/08/26 13:09 更新

〜鉢屋side〜
鉢屋三郎
…あなたの下の名前のこと、雷蔵に報告しといた方がいいと思うか?
尾浜勘右衛門
すごい顔色悪かったもんね


庄左ヱ門を見て泣きそうになっていたあなたの下の名前を見るに、何かあったことは違いない。

ただ、あの様子だと私たちがむやみに近づくのも阻まれると思ったのだ
尾浜勘右衛門
まぁでも、余計なお世話かもしれないし様子見でも大丈夫そうだけどな
鉢屋三郎
…ならそうしよう

2人には2人のペースがある。

余計なことはしたくなかった

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〜山本side〜
山本シナ
っ…、善法寺くん、それは本当なのね?
善法寺伊作
残念ながら本当です。僕自身、実際に見ていましたので…

善法寺くんの後ろで顔を青くさせながら正座をする忍たま2人に目を向ける。

彼らはあなたの下の名前を侮辱し、傷つけたのだ
山本シナ
(どうしてあの子はこんな目にばかり会うのかしら…!)

同性の子には妬みと殺意を向けられ、異性の子には軽視され襲われる。

優しさも強さも実力も兼ね備えているのに環境だけが良くないのだ
山本シナ
(唯一の救いは、彼女が優秀だった事ね…っ)

彼女の実力が無ければもっと大事になっている。

教師なのに彼女を守れない自分が悔しかった
山本シナ
…あなた達には呆れてものも言えないわ。
忍たま
っ……
忍たま
…っ、
山本シナ
ただ1つ言っておくとするならば、彼女の優秀さに感謝する事ね。
山本シナ
…あなた達の処分はあなたの下の名前と共に決めます。それ相応の覚悟はしておきなさい
忍たま
はい…っ
忍たま
はい…っ

山本シナ
善法寺くん、今回は助かったわ。本当にありがとう
善法寺伊作
いえ、僕はただ連れてきただけですから!

挨拶も程々にくのたま長屋へ向かう。

ただただ、あなたの下の名前のことが心配だった

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あなた
(どうしよう、手が震える…)

夕食を取りに行こうとくのたま長屋を出て食堂に向かう道中。

男の子の声が聞こえるとどうしても手が震える

…あの人たちとは違う、優しい人ばかりだと知っているのに。

体が言うことを聞いてくれなかった
あなた
(…今日は諦めよう)

夕食は諦めて自室に戻る

はなから食欲がなかったのであまり苦にはならなかった。
山本シナ
…あなたの下の名前、少しいいかしら?
あなた
はい、?!

部屋で勉強をしているとおにぎりを持ったシナ先生がいらっしゃった。
山本シナ
これ、少ないかもしれないけど。
あなた
えっ…なんで、
山本シナ
…辛かったわね
あなた
っ、

そうか、シナ先生は知ってるのか。

そう思うと張り詰めていた力が消えて、腰が抜けた
山本シナ
よく頑張ったわ、!あなたが優秀で良かった…っ

シナ先生は少し泣きそうな声で私を強く抱き締めた。

伝わってくる体温が優しくて涙が止まらなかった
あなた
っ、本当は怖かったんです…、頭も真っ白になっちゃって、
山本シナ
うん、当たり前よ
味方だと思っていた仲間に裏切られて正気でいられるはずがないの。

忍術学園にいる間は生徒は仲間。

そう思っていたのが急に崩れた瞬間、私は疑心暗鬼になってしまったのだ
山本シナ
食堂のおばちゃんには食事をここに運んでもらうから、しばらくは忍たま長屋に行かなくても大丈夫よ
あなた

っ、ありがとうございます…!
山本シナ
…忍たまの中であなたの部屋を通す許可をあげたい人はいるかしら?
あなた
えっと…
不破雷蔵と黒木庄左ヱ門は許可をお願いします
山本シナ

…分かったわ。伝えておくわね
あなた
…本当に、ありがとうございます!

シナ先生には感謝しかない。

きっと先生がいなかったら、私は壊れていたと思う

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〜不破side〜
不破雷蔵
(…?あなたの下の名前ちゃんいないな)

朝も昼も夜も、食堂で見ないというのは中々に珍しかった。

少しでも顔が見たかったのだけど…
山本シナ
不破くん、少しいいかしら?
不破雷蔵

はい!

山本シナ先生が僕に用なんて珍しい。

不破雷蔵
三郎!先食べといてくれ
鉢屋三郎
分かった!

いつもと違うことが起きているという違和感に、ほんの少しだけ少し胸騒ぎがした

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