第5話

最高の癒やし時間
87
2024/08/29 10:40 更新
先生
はい、今日の授業はここまで。明後日はテストだから勉強してきてね。
クラスがしーんと静まりかえる中、私は大声を出す。
花美
花美
はい!
みんなが私の方をギロッと見てきたけれど無視をした。
…もう慣れたし。
先生
いいね、さすが虹風さん。みんなもしっかりと返事くらいはするように。
クラスメート達
へーい。
やる気のない声を上げ、面倒くさそうに顔を伏せるみんな。
ほんと、やる気ないクラスメートだな…。
…どうしようもないとはこの事。はぁ…。
クラスメート
起立、礼。
クラスメート達
ありがとーございましたー。
国語の先生が居なくなると同時に、コソコソと話し始めるみんな。
私の名前がたまに聞こえるから噂してるんだろうな。…別にいいけど。
そう思っていると、クラス担任が入ってきた。
クラス担任
ホームルーム始めるぞー。
みんなが一気にピタッと動きを止めて席に着く。
クラス担任
もうすぐ夏休みだ。そこで、今週の金曜日までに各自の夏休みのめあてを考えてこい。忘れたら居残りで教室掃除だ。
クラスメート
えー。
クラスメート
めんどくさっ。先生やればいいじゃん。
クラスメート
そんなこと生徒に押し付けるなよー。
この人達は子供?
もっと中2らしくできないの?
このクラス、まともな人少なすぎない?
…と、裏で思う。
クラス担任
面倒くさいと思うなら、めあてを考えてこればいいだけの話だ。分かったな。
先生は文句をつけてきた男子達を睨みながら言う。
クラスメート達
へーい……。
あ、自爆したね。
クラス担任
みんなもサボるなよ。
クラスメート達
……。へーい…。
やる気0の声が教室に響く。
…またこのパターンなの?
そう呆れつつも私は大きな声を出した。
花美
花美
…はい!
そしてみんながギロッ!
ここまでがいつものセット。
もう慣れた、慣れたんだけど…やっぱり苛つくものはある。
…いい加減にしてよ、こっちだって苦労してないわけじゃないんだから。
そう思っているうちに勝手に表情が動いていて。
いつの間にか私はみんなを睨んでいた。
びくっと震え上がる子もいて正直驚いたけれど、それはそれでなんだか少しだけすっとした。
クラス担任
…よし、今日はここまで。じゃあみなさん、さようなら。
クラスメート達
さよーならー!!
さっきとは違う大きな声で叫ぶみんなに呆れる自分がいた。
というか私、今日だけでこのクラスに何回呆れたっけ…。
来週から夏休みというのに私の疲労感は募るばかり。
どうも気分が晴れないな…。
私はそう考えながらカバンに教科書を詰め込んでいく。
すると突然、背後から声がした。
未零
未零
もう、なみってば遅い!早く帰ろ!!
花美
花美
あ、れい。
どうしたんだろう、そんなに急いで。
未零
未零
何してるの?もうみんな外だよ!
え…?何か今日あったっけ…??
未零
未零
今日、浴衣を買いがてら、夏休みの予定決めるんでしょっ!
あ、そうだった。………すっかり忘れてた。
花美
花美
先に行ってて、後で追いかけるから。
未零
未零
わかった!早くしてねっ。
れいが走っていくのを見ながら最後のノートをカバンに入れる。
そして素早くカバンを手に取り、玄関へと走った。


少し息を切らせながらみんなのもとに近寄る。
紋笑
紋笑
遅い!もう少し時間がかかってたら待ちくたびれてたよ。
花美
花美
ごめんごめん、なんだかぼーっとしてて。
夢香
夢香
え、大丈夫?花美がぼーっとしてるなんて、私達には考えられないよ…?
花美
花美
えへへ、大丈夫だよ。気にしないで?それより、早く行こっ!
私はそう言うとみんなの先頭を歩いていった。
Colors
待ってよーっ!(花美以外)
と、叫びながら近寄ってくるみんなに、思わず笑みが浮かんだ。
やっぱりいいな、こういうの。
私にとって最高の癒やし時間だよ。


学校を出たところでれいが話を切り出した。
未零
未零
ねぇ、今年どこ行く?花火大会はもちろんだけど、海とかプールに行って泳ぐのもいいよね!あ、あと、せっかくならきもだめしもやりたい…!!
ぽんぽんと行きたいところの案を出すれい。
て、てんこもりな夏になりそう…!
でも、絶対に楽しめるよね!
私は笑いながら話しかける。
花美
花美
楽しそうだけど、まだ全部決めるのは早いんじゃない?
まぁ、しいて後2日だけどね。
そう言うと…もえが素早く返してきた。
紋笑
紋笑
いや、そうでもないよ。むしろ遅い方なんじゃない?
夢香
夢香
そうかもね。周りの話を聞いてると、もうみんな空いてる日がないらしいから。
おぉ、さすがゆか。情報が早い…!
てか、みんなそんなに早く決めてるんだ…。
紋笑
紋笑
ま、とりあえず!浴衣探しへレッツゴー!!
Colors
さんせ〜っ!(紋笑以外)
もえの言葉にみんなで賛成し、足早に目的地へと向かった。

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