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第6話

5.
22
2025/06/26 11:23 更新
21時25分。5分前だ。
カラーナはスマホで時間を確認すると、顔を上げてビル群を見上げた。
1週間前に一度訪れた闇市の入り口。
その近くにある大通りのベンチで、カラーナと水夏蕗は待ち合わせていた。

最初こそ大人しく足を組んでベンチに座っていたものの、40分になってもやってこない水夏蕗に痺れを切らして立ち上がる。
街灯に寄りかかって爪先をトントンと鳴らしていたが、遠くから駆け寄ってくる人影を見つけて深い溜息をついた。
水夏蕗
すまんすまん、ちょっと遅れたわ
カラーナ・ヴェノメティア
遅い
水夏蕗
日本ではこういう時、「俺も今来たとこ」って言うんやで?
カラーナ・ヴェノメティア
?……なるほど
「てかなんで座らへんの?ファッション誌の表紙か?」と何やら楽しそうにはしゃいでいる水夏蕗を一瞥すると、カラーナは眉間の皺を深めて不服そうに少し口を曲げる。
カラーナ・ヴェノメティア
…行くぞ
大股で歩くカラーナの隣に、水夏蕗が焦って追いかけるように並んだ。身長差のかなりある2人が並ぶと、まるで親子のように見える。

水夏蕗が一方的に話しかけ、それにカラーナが短く返す言葉の応酬を一通り終わらせた後で、水夏蕗が大袈裟に声を上げた。
水夏蕗
あぁ、そういえば…なんか情報持ってへん?あの密売人に会って正気の奴見るん初めてやから、情報仕入れたいねんけど…
カラーナ・ヴェノメティア
情報を渡した後、こちらに報酬は?
水夏蕗
せやな…"この任務に関しては"無償で手伝ったる。どや?
少し悩んでから小さく頷くのを見て、水夏蕗が二の句を催促する。
カラーナ・ヴェノメティア
…男の名前は鬼灯。単独行動で、攻撃をしてくることはなかった。身のこなしを見るに武術に長けている
水夏蕗
なるほどなあ…厄介そうな相手やな
少しズレた2つの足音が、門番の前で止まる。
水夏蕗が小さく手をあげて「ツレもおる」と言うと、門番の男は静かに工事フェンスに触れた。
ズズ…と音を立ててわずかな破れ目が波打ち広がっていく。
水夏蕗
ほな行こか…カ…いや、アンバー
アンバー
ああ。

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