第55話

54話
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2022/08/08 22:00 更新
そんなある日、事件が起きた。











あなた
……












…なんだこれ。













下駄箱の中に入っていたのは何も書いていない封筒。













中を見れば「放課後、体育館裏で待っています。」とだけ書かれた便箋が入っていた。











あなた
…帰っていいかな。
あなた
……












…面倒くさいし帰っちゃお。













そう結論付けて何事も無かったかのように、便箋を封筒の中に戻そうとする。











姫川美空
五条さんそれ何?
姫川美空
もしかしてラブレター!?












すると姫川さんが承諾もなく便箋を奪い取ってきた。











姫川美空
放課後、体育館裏…
姫川美空
絶対に告白じゃん!
姫川美空
相手待ってるだろうし、早く行ってあげなよ!!












と余計なお世話をやいてくる。











あなた
…うん。












姫川さんに見送られ、仕方なく体育館裏に向かった。













__________________











あなた
……












…おかしい。













体育館裏に来てみれば誰もおらず、いくら待っても誰か来る気配はない。











あなた
…姫川さんかな?












多分これも嫌がらせなんだろう。













暇なんだろうか。暇なんだな。













大きなため息をつき、さっさと帰ろうと踵を返す。













その時。











あなた
_っ!!?












ぶわっと全身に鳥肌が立った。













…なんだ…一体何が…













後ろに何かいる。恐ろしい何かが。













ダラダラと冷や汗をかく。











あなた
っ…












意を決して後ろを振り向いた。













__________________












あなた
はぁ…はぁ…っ












クソっ…こんな時に何でスマホないの…!?













家、学校に忘れたか。それともどこかで落としたんだろうか。













…いや、そんなことは今どうだっていい。













問題は__。











あなた
っ!!!












飛び込むように角を曲がった。













ドンッ!!!













もの凄い衝撃波で吹き飛ばされ、転がっていく。











あなた
いっ…












痛みに耐えながら後ろを見れば、攻撃が直撃した地面がえぐれていた。











あなた
っ…












逃げなきゃ。早く。













一般人を巻き込むわけには行かない。













早くっ…人気のない場所へ…!













__________________











あなた
はぁ…はぁ…っ…はぁ…












膝に手をつきながら、肩で息をする。













周りに人が住んでいる家もなく、子どもも来ない廃れた広めの公園。













その公園に逃げ込んで来た。











あなた
帳…は…












顔を上げれば、直後に姿を現す。











あなた
はっ…下ろす余裕なんてない…か…












呪霊
ヒ‥ヒヒヒッ!!












こちらを見下ろしてバカにしたかのように笑っている呪霊が宙に浮いていた。











あなた
…特級……












経験の少ない私の見立てなので、本当に特級かどうかは分からない。













だがこの呪力量と、今まで感じたことのないこのプレッシャー。











あなた
っ…












…今まで戦ったことのある呪霊の中で、間違いなくダントツで強い。













これ以上兄さんの負担になりたくないと、迎えを断ったのがつい一週間前。













兄さんはそれでも迎えに来てくれようとしたが…しっかり断ったのであれからは来ていない。











あなた
クソっ…












兄さんなら難なく祓えただろう。













だが兄さんが駆けつけてくれる可能性はゼロに近い。













私が…祓えるのか?術式もろくに扱えない私が…













兄さんに連絡が取れれば…











あなた
…考えるだけ無駄か…












連絡が取れないのだからどうしようもない。













ここまで来るのにあれだけ追い詰められたのだから、どの道逃げられない。













万が一逃げ切れたとしても、そうなれば一般人に危害が及ぶ。











あなた
っ…












やる祓うしかない。ここで私が。













運が良ければ高専への報告や、他の術師の加勢が期待できるかもしれない。











あなた
……












すっかり息も整った。













落ち着いて眼鏡を外すと、呪いを睨みつける。











あなた
ここで…祓う。












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