学校帰りの車の中、
「会いたいな」と送ってから数秒後…少し冷静になった。
すぐに"送信取り消し"を押した。
こんな時間に会いたいなんて送ってもテヒョンくんが困るだけだ、
冷静になれ、ジョングク。
ギアをバックに入れてコンビニを出て再び走り出し
数分で家へと到着した。
シートベルトを外して助手席に置いてあるリュックを片方の肩にかけて扉を開く。
すると小さな子供たちの遊ぶボールが先生の足元にちょうど転がってきた。
「ありがとう、ぐぅちゃん!」
「はーーい!また遊ぼうね〜」
休みの日に外をランニングしていたら顔見知りになった小学生の子供たち。
なぜかぐぅちゃん、と可愛いあだ名を付けてくれた。
少し遠くにいる子供たちの母親数名にに頭を下げて子供たちには手を振って見送った。
そして階段を一段一段ゆっくり登っていく、
夕日が沈みかけていた。
全ての階段を登り終えてふっと一息。
すると1人の影が夕日によってこちら側へ伸びてくる。
逆光でなかなか捉えられない。
仕方なく自分の玄関の前まで歩み寄り、宅配業者であろう男性に頭を下げた。
恥ずかしそうな横顔で鍵を開けている先生。
_______
部屋の中はクーラーが効いていてとても涼しかった。
クーラーの風に揺られている洗濯物がいい香り。
そして先生が用意してくれたオレンジジュースを一気に飲み干す。
テヒョンの率直な質問に飲んでいた水を吹き出しそうになった。
照れくさそうにバムのご飯を準備していた。
もぉ〜と呆れ顔の先生。
足元にずっといるバムにご飯をやって手を洗いながらテヒョンの質問に答える。
先生は優しく笑ってオレンジジュースのおかわりをついでくれた。
ちょうどこの日は花火大会が開催される日だった。
顔を見合わせてニコッと笑い合った。
まだ一緒にいられる、それが分かった途端心から嬉しい気持ちが溢れ出す。
ちゅっ ///
大人になると余計な考えが邪魔して言いたい事も言えない時ってよくある。
もしこう言ったら、あの人が言ったあの一言ってどんな意味で言ったのかな?って深く考え過ぎてしまったり。
実際言ってしまった一言に後悔する事だってある。
でも僕は今日「会いたい」の一言を言えてよかった。
時間を考えたら迷惑かな、とかいい大人が高校生の子に会いたいなんて気持ち悪いかな…とか。
考えたらキリがなくて消してしまったLINEだったけど、テヒョンくんに届いていてよかった、
だって…
ちゅっ ///
今こうして幸せな時間を過ごせているから。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。