ニコニコしながら
通りすがりの人達にも手を振っている" 元王子 "
でも、あの笑顔は偽物だ
私の感性がそう言ってる
元王子は何秒か私たちを見つめたあと
周りをキョロキョロ見渡して
笑顔でこう言ってきた
バッ
中学校の頃から思っていたけど
よくこの2人は睨み合ってる
やっぱり何か関係が……
そのキリッとした目に私は背筋が凍った
行かなきゃ、私の身が危ないような気がした
この2人がどのような関係なのかが知りたかったのか
なぜか胸がモヤモヤした
《 昼休み 》
私も頭はいい方だけど
元王子は成績優秀で有名らしい
そのいい頭はいいことに使ってほしい
なのに女の子堕とすのに使うとか……
桜杞の目は、すごく怯えているような
怖がっているような
そんな目だった
《 放課後 》
自分の教室を出て、最上階の屋上へ歩き出す
ガラッ
屋上には誰もいなかった
と思った
ちょうど死角に居たからか
いた事に気づかなかった
元王子は体を丸めて、すやすやと眠っていた
この人、私と付き合ってたんだよね
別に私が顔がすごくいいという訳ではないのに
付き合おうと言われた時はびっくりした
あれ、私今なんて……
ガシッ
え、なんで……
だってさっきまで寝てて……
この人、私の行動全部読んでる……?
でも、私もあんなこと
自分から口にするとは思ってなかった
予想外の言葉を口にしてきた
やり直すって、何を……?
ヨリを戻すって、こと?
何言ってんだこいつ
貴方、自分から振りましたよね?
振った=未練なし
私の考え間違ってます?
よかった、わかってくれた……
……ん?
『 けどさ 』?
分からない
何が本当で、何が嘘なのか
元王子は嘘をつくのもすごく得意だった
普通に嘘をついている可能性も……
ギュッ
私の両手を強く握ってきた
あ……やっと気づいた
私、もしかしたら
この人のことを、待っていたのかもしれない
こうして、私たちは復縁した
復縁なんて、絶対するつもりは無かった
……でも、
心のどこかで
貴方を好きって気持ちが、
まだ残っていたのかもしれない
その言葉は、本当なの?














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。