本番前の楽屋。
わたしは鏡の前で
イヤモニをつけながら深呼吸してた。
(大丈夫)
(ちゃんとやれる)
ふと、視線を感じて顔を上げると
鏡越しに、5人全員が見てる。
💜「……え、なにかついてます?」
🩵「いや」
🩷「確認してただけ」
❤️「うん」
💛「問題なさそう」
🤍「……かわいい」
💜「!?!?!?!?」
一気に耳が熱くなる。
💜「ちょ、急にそれ言わないで……!」
🩵「言いたかったから」
🩷「今しかないやろ」
❤️「今日も頑張ってるし」
💛「評価としてね」
🤍「……事実」
💜(なに今日)
💜(ほんとにどうしたの)
そのとき、スタッフさんが入ってくる。
スタッフA「そろそろ本番です」
スタッフA「……あ、その前に」
スタッフA「ちょっとだけ、時間いいですか」
5人が一瞬、顔を見合わせる。
💛「……どうぞ」
スタッフA「今日、特別に」
スタッフA「簡単なコメント撮りをします」
スタッフA「テーマは――」
スタッフA「“一緒に頑張ってる人へ”」
💜「えっ、わたしもですか?」
スタッフA「はい」
💜「えええ……!」
🩵「まあまあ」
🩷「聞くだけや」
❤️「楽にいこ」
スタッフさんがカメラを構える。
スタッフA「では、順番に」
まず、だいちくん。
🩵「えー……」
🩵「一緒に頑張ってる人へ」
🩵「自分では気づいてないかもやけど」
🩵「ちゃんと周り見て、空気読んで」
🩵「誰よりも気使ってて」
🩵「それ、すごいことやから」
🩵「無理しすぎんなよ」
💜「……」
次、はやとくん。
🩷「俺は」
🩷「頑張ってるの、ちゃんと見てるって言いたい」
🩷「笑ってる時も、しんどい時も」
🩷「一人で抱えんでええから」
🩷「頼ってええからな」
胸が、きゅっとする。
しゅんたくん。
❤️「えーっと」
❤️「頑張ってる人ってさ」
❤️「自分が頑張ってる自覚ないこと多いんよね」
❤️「でも」
❤️「ちゃんと、価値あるから」
❤️「自信もってほしいな」
じんとくん。
💛「……」
一拍置いて、ゆっくり。
💛「泣くの、悪いことじゃない」
💛「悔しいのも、しんどいのも」
💛「全部、前に進んでる証拠」
💛「泣いてもいい場所は」
💛「ちゃんと、ここにあるから」
もう、喉の奥が熱い。
最後、じゅうたろうくん。
🤍「……」
🤍「言葉、得意じゃないけど」
🤍「そばにいる」
🤍「それだけは、変わらない」
🤍「……大丈夫」
その瞬間。
視界が滲んだ。
💜「……っ」
スタッフA「……あ」
🩵「やば」
🩷「ちょ、ちょっと」
❤️「ごめん、泣かせる気なかった」
💛「……これは」
💛「反則やね」
💜「……ちが、ちがいます……」
声が震える。
💜「これ……」
💜「泣いちゃだめなやつじゃなくて……」
ぽろっと、涙が落ちる。
💜「……泣いていいやつ、ですよね……」
一瞬、静かになって。
じんとくんが、はっきり言う。
💛「うん」
💛「これは、泣いていい」
🩵「せやな」
🩷「感動の涙や」
❤️「むしろ正解」
🤍「……きれい」
スタッフA「カメラ、止めますね」
わたしは顔を覆う。
(守られてる)
(ちゃんと、見てもらえてる)
その事実が
胸いっぱいに広がって。
涙は、止まらなかった。
でも。
誰も、焦らなかった。
誰も、困らなかった。
ただ静かに、そばにいてくれた。
M!LKが
1番守りたかったもの
——それは
「一人で泣かせない」こと。
よかったらこちらも😙😙












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!