あなたの下の名前side














  『うぇ、』







とてもピンチです。





朝、目が覚めたら体が重く、


頑張ってベットから移動してリビングへ。


熱を計ってみると、





  『37.8℃…』




ギリセーフ、だよね。




今日のお仕事は新曲の振り入れ。



雑誌でも、テレビの収録でもないから顔色が悪くてもメンバーさんを誤魔化すことさえ出来れば、！



私の勝ち。









  『やるしかない。』





ただでさえ、


女子という大きなハンデがある以上




迷惑をかけることなんてできない。








そう自分に言い聞かせて、




家を出た。






  








事務所へ向かう道中。



何度か吐きそうになったけど、

ギリギリ耐えている。





私ってすごいな、って思い始めた。














事務所について、



いつもの場所に向かうと




もうメンバーは何人か来ていた。







 向「お！おはよーさん！！」





  『おはようございます向井さん！』





演技は得意な方だ。



きっと



隠し通せる。





そう思っていた。




が、






  『はぁ、はぁ、』




後半になるにつれ、



今までではありえないくらいに息が上がる。






辛かった。






でも、



バレないように頑張った。





すると、






 宮「ちょっとごめん。疲れた。休憩にしよう？」






宮舘さんが発した言葉で

岩本さんが休憩をとってくれた。






 宮「あなたの下の名前。水買いに行こうと思うんだけど、、一緒に行かない？」





  『え、？  あ、はいっ、！』



正直動きたくなかったけど、



宮舘さんがどうしても、！という目で見てきたので、




行ってみることにした。







 

ドアを出たら右に、


って



  『宮舘さん、？そっち逆ですよ？』





 宮「ばーか。体調悪いのばればれだよ。楽屋で休むよ」





え、え、？？



  『なんで、、』





 宮「分からないわけないでしょ。誰だと思ってんの俺の事。」






メンバーってすごいな、




温かいな。




もっと前から出会ってたかった。







そう思って立ち止まっていたら、

急に吐き気がましてきて、




  『みや、だてさん、はきそう、』



 宮「え、！まってまって、あ、これに出しちゃえ」



そう言いながら袋を渡してくれて、




とか言いながら結局吐けなくて、




楽屋まで運んでもらって、



なんとなく、



特に何も意識せず、




膝枕をしてもらった。





 宮「どう？まだ気持ち悪い？」



  『もうだいぶ楽です。ありがとうございます、。』





熱も下がった感じがする。

朝より全然楽だし。




 


なんて、呑気にうとうとしていたら、





 岩「ねぇ、なにしてんの。」






声がした方を見れば、




岩本さんが拗ねたような目で見ていて、




さらには





 目「ずるいじゃん。舘さん交換して」






 宮「むりです。」





 目「なんでー！！！」





なんて、



メンバーさんみんないて。





私を取り合って、



ぎゃーぎゃー騒いでる皆さんを見て、




あぁ、愛されてるな。

って実感した。




だから、




頑張って起き上がって、





皆さんの方を見て、


















  『私、多分皆さんが思っている以上に、』










一人一人の目を見ながら、



噛み締めるように言った。










  『皆さんのこと大好きです。』