つ、ついに荷物を片付け終わってしまったぁ……!
ということは入団希望書出さなきゃじゃん?
みんなも出すじゃん?
だぁっ!やっぱり怜央止めとけば良かったぁ!
しかも希望書を渡す人って団長らしいじゃん?!
絶対無理無理。会った瞬間意識飛ぶ。死ぬ。
入団する前に死ぬなんて不名誉を
残すことになるよ?!
とまぁ。
落ち着くために一旦騒いで発散してみたものの
そこまで焦っていないことに気づきました。
騒いでないと気づかないものってあるよね!
うん、人間だもの!
さて、入団希望書とリュックは持ったし。
行くしかないっ……か。
と部屋に今日1番の挨拶をして鍵を閉めた。
。
え、嘘でしょ
最初に思ったことはそれだった。
体育館にあったのはほぼ空っぽな志願所受付。
守兵団が、7人。
創兵団が、3人。
そして戦兵団は、10人だけ。
20人、ってことは……
半分しか兵団志望しなかったの?!
え、なんのために受けたのよ!
まぁ、うん。
死ぬ可能性があるんだもん。
仕方がないって言えば仕方がない。
さて、困るのは順番だ。
誰だって一番はやだ。
私は後ろを振り向いて思わず言葉を失う。
こんにゃろう。
お前ら裏切りやがったなぁー?!
何故私の後ろに綺麗な列が出来ているのかな?
あ、死んだ。
並べ直すとかもう無理だ。
あれ、これデジャヴ?
前にもおんなじ噛み方したよね?
あと悠里、何笑ってんのよ。
言葉足らずか!
真顔を保ちながら思わずつっこむ。
……もうやだ。帰りたい。
無駄に根暗な男性の次は
無駄にハイテンションな女性?
……会話に全く入れないんだけど。
え、失礼ですが
こんな人が団長と副団長って大丈夫ですか?
みんなの希望者をテキパキと集めていく副団長。
うーん、少しは納得したかも……?
まぁ実力はあるんだろうな。
なんだか、入ってもハチャメチャになりそうだ……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。