第14話

第14話「現実と憧れ」
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2020/12/30 07:14
つ、ついに荷物を片付け終わってしまったぁ……!
ということは入団希望書出さなきゃじゃん?
みんなも出すじゃん?
だぁっ!やっぱり怜央止めとけば良かったぁ!
しかも希望書を渡す人って団長らしいじゃん?!
絶対無理無理。会った瞬間意識飛ぶ。死ぬ。
入団する前に死ぬなんて不名誉を
残すことになるよ?!
とまぁ。
落ち着くために一旦騒いで発散してみたものの
そこまで焦っていないことに気づきました。
騒いでないと気づかないものってあるよね!
うん、人間だもの!
さて、入団希望書とリュックは持ったし。
行くしかないっ……か。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
じゃあね!
と部屋に今日1番の挨拶をして鍵を閉めた。


え、嘘でしょ
最初に思ったことはそれだった。
体育館にあったのはほぼ空っぽな志願所受付。
守兵団が、7人。
創兵団が、3人。

そして戦兵団は、10人だけ。
20人、ってことは……
半分しか兵団志望しなかったの?!
え、なんのために受けたのよ!
まぁ、うん。
死ぬ可能性があるんだもん。
仕方がないって言えば仕方がない。
さて、困るのは順番だ。
誰だって一番はやだ。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
誰がさ、い
私は後ろを振り向いて思わず言葉を失う。


こんにゃろう。
お前ら裏切りやがったなぁー?!
何故私の後ろに綺麗な列が出来ているのかな?
青宮 遥斗
青宮 遥斗
……おい。
あ、死んだ。
並べ直すとかもう無理だ。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
ひゃっい
あれ、これデジャヴ?
前にもおんなじ噛み方したよね?
あと悠里、何笑ってんのよ。
青宮 遥斗
青宮 遥斗
渡せ。
言葉足らずか!
真顔を保ちながら思わずつっこむ。
夏空 朱莉
夏空 朱莉
こらこら遥斗。
相変わらず石の表情筋だねぇ?
……もうやだ。帰りたい。
無駄に根暗な男性の次は
無駄にハイテンションな女性?
夏空 朱莉
夏空 朱莉
やぁ!こんにちは!
君たちが今年の志望者かなぁ?
……すっくねーwww
やっぱり遥斗の雰囲気が怖いからだよ。

ねぇー?
こいつマジな根暗だからさぁ怖いよねぇ。
あっ、でも実は水が苦手で泳げなかったり
するんだよ?www

あ、自己紹介が遅れてたね。ごめんごめん。
こっちは青宮遥斗あおみやはると
こんなチビだけど一応、戦兵団の団長。
私は夏空朱莉なつぞらあかり
戦兵団の副団長を努めてるんだー。
青宮 遥斗
青宮 遥斗
おい、ベラベラうるせぇよ。
あとお前と俺の間に4cm以外の身長の差は
存在しないはずだが。
夏空 朱莉
夏空 朱莉
えー、遥斗また縮んだんじゃなぁーい?www
青宮 遥斗
青宮 遥斗
刺すぞ。
……会話に全く入れないんだけど。
え、失礼ですが
こんな人が団長と副団長って大丈夫ですか?
夏空 朱莉
夏空 朱莉
あ、そう。
希望書貰ってもいい?
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
あ、はい。
みんなの希望者をテキパキと集めていく副団長。
うーん、少しは納得したかも……? 
まぁ実力はあるんだろうな。
なんだか、入ってもハチャメチャになりそうだ……。

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