第66話

LXVI
82
2026/07/13 12:33 更新


車の中には、静かな空気が流れていた。





窓の外を流れる街の明かりだけが、二人の間を照らしている。





あなたは膝の上で手をぎゅっと握りしめた。

あなた
(ちゃんと謝らなきゃ……。)


何度も言葉を探して、ようやく口を開く。

あなた
あ、あの……


すると、その言葉を遮るように、あっきぃが小さく笑った。

翔月あっきぃ
……ごめんね。

あなた
え……?

翔月あっきぃ
めんどくさい男で。


あなたは驚いてあっきぃを見る。




あっきぃは前を向いたまま、自嘲気味に笑った。

翔月あっきぃ
自分でもどうかしてるって思う。


ハンドルを握る手に少しだけ力が入る。

翔月あっきぃ
連絡が少し来ないだけで不安になって。
翔月あっきぃ
誰といるんだろうとか、ちゃんと帰れるかなとか……そんなことばっかり考えて。


苦笑しながら、小さく息を吐く。

翔月あっきぃ
でも……それくらいあなたのことが好きで心配だってこともわかって欲しい
翔月あっきぃ
せめて連絡は欲しかったな


その言葉に、あなたの胸が締め付けられる。

あなた
…はい


あなたは深く頭を下げた。

あなた
心配させてしまって、本当にごめんなさい。


少しの沈黙。




信号が赤になり、車が止まる。




あっきぃはあなたの方へ顔を向け、優しく笑った。

翔月あっきぃ
うん。


その笑顔は、さっきまでより柔らかかった。

翔月あっきぃ
いいよ。

あなた
……ありがとうございます。


ようやく肩の力が抜ける。

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