第16話

#11 遠い場所
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2025/04/01 06:17 更新



あなた
 おはよ、凛 
糸師 凛
 ん、ぅ⋯⋯ 
あなた
 こーら、布団に潜り込まない 
あなた
 今日はブルーロックの 
 同窓会でしょ? 
糸師 凛
 ⋯⋯はよ 
あなた
 うん、おはよう 








 今日はブルーロック同窓会の日。


 凛を起こして、ブランチを食べて、着替えて。







あなた
 じゃあ行こうか 







 家を出る。


 俺らが住んでるのは、
 東京からそこそこ遠い場所だから
 早めに家を出ないと間に合わない。






 ぎゅ、と凛の手を握った。







糸師 凛
 っ、手⋯⋯ 
あなた
 嫌だった? 
糸師 凛
 ⋯⋯別に。嫌じゃ、ない 








 マフラーの隙間から見える凛の耳は真っ赤で。

 その赤みが、
 寒さが原因では無いことを俺は知っていた。








あなた
 寒くなってきたな 









 息を吐くと、白く染まって見える。



 もう完全に冬。

 きっと、初雪も近いだろう。









あなた
 ( 凛と出会ってから
  もう何年も経ってるんだ ) 
あなた
 ( 時の流れって早い ) 
糸師 凛
 もうそろそろ電車来る 
あなた
 え、急がなきゃ 









 物思いにふけっていると、
 凛が時刻表が映ったスマホの画面を見せた。



 次の電車は、
 今の時刻の5分後に来ることを示していて。








あなた
 やばいやばい!
 これ乗り遅れたら1時間待ちだよ! 
糸師 凛
 うるせぇ 
あなた
 ちょ、
 こんな寒い中の1時間待ちはやだ 










あなた
 東京着いたーっ! 
糸師 凛
 ⋯⋯⋯⋯。 
あなた
 人多いよね。
 早く店に行こうか 







 田舎では真っ暗な時間帯に、
 明るく光り出すネオン。

 大勢の人達。


 人が多いのが苦手な凛は、
 不愉快そうに眉をひそめている。



 出来るだけ早く、
 落ち着いたお店の中に入れてやりたくて、
 凛の手を引いて店を探す。









あなた
 あった、ここかな 
糸師 凛
 ⋯⋯あなた 
あなた
 ん? 









 店の前に立ったとき、
 ぎゅっと凛が服の裾を握った。


 小さく俺の名前を口にする。








あなた
 どうかした? 
糸師 凛
 ⋯⋯ううん 







 凛は、直ぐに服から手を離す。



 ここ半年、ずっと凛と一緒に居たはずなのに、
 今の彼の気持ちが分からない。


 何故か、
 凛が遠い場所に居るような感覚に陥った。






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