ヒーロー基礎学というものがあるらしい。
そして担当はオールマイト。
不覚にも笑ってしまったのは内緒。
ヒーローを目指す人は、いや、目指していなくても憧れの存在。平和の象徴。
そんな人が来たとなればみんなテンション上がる。
もちろん私もテンション上がってるし、緑谷くんもテンション爆上がりだ。
戦闘訓練かぁ…。いかにもって感じがする。
渡されたコスチュームを眺める。
うむ、やっぱりこのデザインお気に入りだ。
着替え終わり、みんながグラウンドβに集合する。
みんなかっこいいな。
そんなことを思いながら先生の説明を聞く。
瞬間、次々にクラスのみんなが質問をする。
おおぅ…オールマイト困ってますやん。
そして一旦落ち着かせ、カンペらしきものを見て説明を続けた。
可愛いなオイ。
そっすね。
なるほどね。
私は尾白さんと葉隠さんのチームに入り、相手は轟さんと障子さんだった。
いやなんで??
なんでよりによって強いチームと戦わなあかんの??
なるほどこの世に神はいないということか。
負けやんこんなん。葉隠さん達で頑張って欲しいと思う。
さて、どうしたものか。
ちなみに私達はヴィランチームとなった。
皮肉かな?
緑谷くんと爆豪くんの戦いはえげつなかった。麗日さんと飯田さんもいたんだけど、そこの2人の、なんというか、今までの思い的な。
多分、幼馴染み故の何かがあるんだろうな。
中学から見てる私なら分かる。
結果は緑谷くんと麗日さんの勝ち。
でも多分、飯田さんが1番良かったと思う。
1番冷静に周りを見ていた。
と、人の心配をしている場合ではない。
次は私の番だ。
こうして戦闘が始まった。
体感2分ほど時間が経つ。
静かだ。
障子さんの個性は多分探索系。多分ね。
となると私達の居場所は分かっているわけで。
それでも核兵器から離れるわけにはいかぬ。
という芋戦法。
私達の方へは2人から来てもらおう。
ちなみに提案者、はい。私です。
コミュ障だけど頑張ったよ。2人が優しかったおかげだね。
感動して泣きそうだった。いや、割と真面目に。
こうして芋っていると、視界の端で轟さんの姿を捉えた。
やば。
咄嗟に2人を強く引っ張ってその場から離れる。
周りにシールドを張り、床を這う氷を防ぐ。
あっっっぶね。
動体視力鍛えておいて良かったあぁぁあ。
一旦息をつく。
と、話している間にも氷が。
くそう。今話してる途中だったでしょ!邪魔しないでよ!と、ふざけておく。
今度は2人も避けられるみたいなので余裕を持って避ける。
そして次の攻撃をされる前に轟さんの後ろに素早く回り、力でなんとか拘束する。
だって攻撃系じゃないし。力でねじ伏せるしかないじゃないのよ。
おいみんな、そんなに驚くな。
女子らしくないことは私が1番分かってます…っ゛。
しかし相手は男。すぐに押し倒された。
あらやだ素敵♡
とはならないんです。顔が良かろうがなんだろうがこちとらコミュ障ぞ?
押し倒されて顔が近付きでもしたら思わず頭突きかますわ。
ゴンッ!!
と、多分痛いであろう音が響き渡った。
轟さんは少し痛がる。その間にまた2人の元に戻る。
うーむ。制限時間はあるから時間を稼げれば勝ちなんだけど、轟さんはそこまで待ってくれないよねえ。
モタモタしていたせいか、障子さんも参戦してきた。
めんどくせぇええええ⤴︎︎︎
もう私雄英辞めていいか?
いやだめだろ。情報収集はしっかりしないと。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。