第27話

twentysix
84
2026/05/04 20:39 更新
深い夜だった。

総統室には安物の置き時計が刻む秒針の音と、
羽ペンが紙の上を滑る乾いた音だけが響いている。
tn
こんなに静かやったか、この部屋
ふとそんな考えがよぎる。
前はもう少し騒がしかったはずや。
笑い声や、怒鳴り声や、どうでもええ言い合い。
そういうもんが、当たり前にあった。

今、トントンの周りにあるのは、天井まで積み上がった書類の山だけやった。
tn
はぁ、

短く息を吐き目頭を押さえる。

視線の先には数カ国との貿易統計。

数字は嘘をつかへん。

コンコン
ci
トントンさん、お茶です
tn
あぁ、すまんな
tn
なぁチーノ、コレ見てくれへんか
tn
D国とE国、うちへの輸出量露骨に落としとる
ci
、、ほんまですね
ci
なんでやうちなにかした覚えないですけど
tn
やから余計にたちが悪い
2023年6月、コネシマが消えてから。
穴は埋めたはずやった。それでも
こうして形になって出てきている。
rp
トントン 総統代理・・・・
rp
この資料見てみて下さい
rp
B国の影響がだいぶ強いですよ
rp
このままやと、取引の主導権は完全に向こうに握られます
tn
分かっとる
tn
せやけど、、
tn
背に腹は代えられん。兵の食料も、資材も止めるわけにはいかん
ci
B国だいぶ条件きついですねこのままやと危ないかもですね
tn
せやな
rp
もう少し粘れますか?
rp
、、他国の様子をもう少し見ても、、
tn
時間がない
tn
待てば改善される保証もない
tn
それに
tn
現場は待ってくれへんねや





パタン
二人が去り、部屋には再び静寂が戻る。

椅子に深く体を預け窓の外を見る。

月光に照らされた軍旗が力なく揺れていた。
tn
、、
tn
ほんまB国ばっかりやな
tn
このままやと依存国や
誰も答えへん言葉が静かな部屋にただ落ちた。

ふと首筋に手を当てたけど何も残ってへん。

跡なんてとっくに消えてる。

それでも

触れた場所だけ、妙に熱い気がした。
gr
ならばトン氏、お前も公から外れるか?
gr
書記長なんて椅子誰かに譲ってしまえばいい
あの声が、耳に残っている。
甘い誘いと逃げ道。
全部投げてあいつの隣にいれば
どれだけ楽か。
tn
、、あかん
立ち上がり部屋の奥の扉を見る。
その向こうにあるのは総統室。
そこにあいつがおって
その隣には、選ばれたやつらがいる。
手を伸ばせば届く距離やのに
届かへん場所。


あの日、言うたはずや。
tn
俺が守る
tn
、、この国もっ、、あいつも
逃げる選択肢はない。

最初からそんなもん選んでへん。
tn
証明したる、、
tn
俺のやり方で
ペンを握り直し、机の上の資料を一枚抜き出す。

B国との直接交渉申請書。

ここで動かなければ、もう持たへん。

この国を守るためなら、どんな条件でも飲むしかない。

たとえそれが取り返しのつかん一手やとしても。

トントンは迷わず署名を書き入れた。
コツコツコツ、、
shp
、、
ut
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯?
shp
、、?(大先生の声?)
ワイは大先生の部屋の前で止まった
ut
⎯⎯やわ
shp
(なんて言ってるんやろ、、)
shp
(盗み聞き良うないけど、、)
ut
⎯⎯⎯な、シッマ
shp
!、、






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