第7話

˚✧₊⁎出発⁎⁺˳✧༚①
45
2024/03/15 11:17
あなた
……よし




 今日までに用意した鞄を肩にかけ、私は靴紐を強く結んでいた。














 そう。今日こそが、JFUに行く日なのだ。









空風 美月
……あ、あなたの下の名前ちゃん。行く?




 紐を結んでいると、背中から声がした。















 肩越しに振り向くと、美月先生がいた。















 心配しているのか、元気つけようとしてくれている顔なのかよくわからない。









あなた
……うん。正直、めっちゃ緊張してる





 けど。って私は思った。



















あなた
それに、こんな経験するなんてさ。
二度とないって思うと心が苦しくなる。それに……










あなた
"私を変えれる"。いや、違うな……
"変えることができる"そんな気がする






 しっかりと美月先生の瞳を見て断言すると、美月先生が満面の笑みになっていった。









空風 美月
……やっぱり、あなたの下の名前ちゃんは
『スカイヒーロー』だね
あなた
"スカイヒーロー"……?




 戦隊モノでもないのに、一体なんだその名前は。















 頭にはてなを浮かべていると、誇らしい声でこう言われた。









空風 美月
前に新くんから教えてもらったの。
「あなたの下の名前はヒーローガールだ!」
ってね笑
あなた
………………アイツ




 新……。アイツ今度しばく(((









空風 美月
あなたの下の名前ちゃんは空みたいに心が綺麗で
広いからね。
だから『スカイヒーロー』って呼んでる




 空みたいに……心が広い……。















 心の中で言葉を復唱してると、美月先生が私の額にデコピンをかました。









あなた
い"ッ!?




 意外と力強いな。などと思いながら、私は急な痛みに額を抑える。















 「何するの」と言う間も与えるか。とでも言うかのように、美月先生はいった。









空風 美月
心身共に強いから「ヒーロー」なの。
JFUでも、ドカンと決めちゃいな!!




 ドカンと……決める……。















あなた
……うん!




 すっかり不安が消えた私は、立ち上がった。















 玄関のドアに手をかけ、私は声を出した。








あなた
行ってきます!

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