第63話

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2022/02/10 23:32



2日後。


熱もすっかり治り、私は部屋から街を眺めていた。



佐久間さんはそんな私を見つけると、ひょこっと横に座った。




「佐久間さん…聞いてもいいですか」



佐「ん?」



「なんで、私だったんですか」




また地雷じゃないといいけど…


そんな心配を他所に、佐久間さんは嬉しそうに答えた。





佐「最初は誰でもよかったんだけどね?


 馬鹿な奴ほどホイホイついてくるし」





「うん…?」




佐「あなたゴミ出しの時俺に言ったじゃん。


  音がするって」



たしかに言った。


佐久間さんが301号室の住人だなんて思ってなかったから。


知ってたら本人に聞くわけがない。




佐「あの時怯えてるのすげー可愛いかったのよ。


虐めたいなって笑



そしたらさ、いきなり彼氏連れてくるから…



もう嫉妬しちゃって。



苦しくて苦しくて」




  
佐久間さんはやっぱり狂ってる。







佐「にゃはっ、でも今はそばにいれて幸せっ!」




「それなら…よかったです」




ほっとした。


怒らせたりしなくて良かったって。








佐「でも…


  たまにね?もっと虐めたくなる」






「え?」







彼の顔色が変わった。







佐「あなた、きっと可愛い声出すんだろうなって…」








「ま、まってさくまさ……んっ!!!」






佐久間さんの唇が私に触れる。






佐「はぁー、やっぱ可愛いじゃん。



  俺、良くここまで我慢できたよね?」






「さくまさ…やぁっ…」





佐「ヤじゃない…俺を受け入れて?」





私の抵抗も虚しく、身に纏っていたモノを剥がされる。






佐「はぁ……好きだよ」





佐久間さんは私に微笑むと同時に…








カプッ








「い″たっ……!!」










佐久間さんは思いっきり首元に歯を立てた。



フリーの両手は気持ちいいところばっかり攻めてくる。



首からじんわりと血が滲む。






「やだっ…こんなの…!さくまさんっ」










佐「拒否権なんてないよ?



  あなたはもう、俺のおもちゃだから」


 

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