第17話

香り
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2019/04/12 05:07 更新
あれから五年。


私はもう、大学生だ。
伏見 由希
ひーとみちゃん!
栗原 瞳
由希ちゃん。
伏見 由希
ふふっ。
栗原 瞳
どうしたの?そんなニヤニヤして。
伏見 由希
いやぁ、昔のこと思い出して...
伏見 由希
瞳、泣き崩れたもんね!
栗原 瞳
そ、それは言わないで!
伏見 由希
あはは。
“由希ちゃん”の笑顔は、“伏見さん”の時と変わらない。
栗原 瞳
というか、何で葉連さんと先生が私を探してたの?
伏見 由希
あれ、私が先生に言ったんだ。
伏見 由希
「栗原さんが死んじゃうかも」って。
....ん?
栗原 瞳
え、私が自殺するって未来予知?
伏見 由希
ううん。勘。
栗原 瞳
す、凄い...
伏見 由希
でしょー?
栗原 瞳
由希ちゃんの性格、少し明るくなったね。
伏見 由希
瞳ちゃんは変わってないね。
え....
伏見 由希
あ!悪い意味じゃないよ?良い意味。
由希ちゃんは、笑う。
栗原 瞳
そ、そう?
伏見 由希
うん。
栗原 瞳
なら、良いけど.......








その時、懐かしい顔を見た。














私たちの横を、大学生くらいの女性が過ぎ去っていった。



凄く美人で、足が長くスタイルが良い。





















五年前と変わらない、優しい桜の花の香り。























最初は目を疑ったけど、すぐに分かった。



あの人は───────────





伏見 由希
えっ!?ちょ、瞳ちゃん?
私はその人の方へ走りだす。




嘘でも良い。


幻覚でも良い。




ただ、会って「ごめんね」って伝えたい。





五年前に、私ができなかったことを、今。








許されなくても良い。


拒絶されたって良い。


無視されたって良い。





ただ、まっすぐに伝えるんだ。




















栗原 瞳
ごめんなさい!








その時また、ちゃんと傷つけ。






ー終ー

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