帰って来たばかりの透雪はやはりどこか体調が悪そうだった
西矢が起きたのはそれから三十分も経たないくらいだった。
そして僕は視て来たことを全てそのまま伝える。西矢はそれを少し青い顔で黙って聞いていた。
西矢は未だ黙ったままだ。少し俯き気味の顔は諦めたような顔をしている。
西矢の顔色が変わる。
透雪は少し強めの毒を吐く。それは俺らの心に響いてくるものもある。
俺らもそうだ。あのとき言われるがままにしたせいで…そんな後悔をしてももう遅い。
西矢が礼を言う。何に対しての感謝なのかわからないが。
そう言って透雪は西矢の前から去って行く。留置所の職員に「もうそろそろしたら杉野が自首するはずだから部屋とか決めといたほうがいいよ。」と告げ、留置所から出て行く。それを追うようにして俺らも留置所から出た。
そんな言葉を透雪が小さく発したような気がした。
帰り道
やはりというべきか透雪は久しぶりに『視た』せいで喘息発作気味だ。
そう思うと『無理すんな』とも言えず、そのまま無理させてしまう。そういうところを直さなければいけないところなんだろうなとつくづく思う。
その瞬間、頭にあのときの記憶がよぎる
ドンッ💥!!!
グシャッッ!!!!
聞いただけの話のはずなのに。その場にいなかったのに。なぜかその場にいたような感覚が残っている。俺が本当にいたのはあのあと…それなのにあるはずのない記憶があるのはなぜか…
「あの頃に戻りたい」それは透雪にとっては辛いことだと思う。だけど、そう願ってしまうのは意地悪だろうか。
それでも、今がずっと続いていくのも悪くないと思う。
『Snowdrop過去編』
透雪たちの言うあの頃とはなんなのだろうか。
そこまで戻ってやり直したい過去があるのだろうか。
7月中に過去編投稿予定
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。