ピーーーー!
ピーーーー!
ピーーーー!
ー弥生駅の駅長の話ー
静かな場者でしょう…?
ようこそいらっしゃいました。ここ弥生駅は水の駅。
水面から悠然と伸びる澪土筆が、
なんとも可愛いらしかったんです…。
近頃は船の往来もなく、
標を立てる必要もなくなってしまいました。
この駅は三つの小鳥から成るのですが、
渡し船も今となっては二隻だけ。
とはいえ余りにも人が来ませんから、
暇つぶしに双子の船頭たちへ、ちょっとした問いを
投げかけたりして遊んでおりますの…。
彼らに頼んで奥の島へ行けば、
土に生える澪土筆を摘める場所もあるので、
ぜひ訪れてみてくださいね…。
ー弥生駅の住民の話ー
みなづきえきのあめはね、
なんでもよごれをおとしてくれるんだって。
きのうよごしちゃったおふとんを
こっそりもっていきたいな…。
ー弥生駅の船頭ー
久しぶりのお客じゃねぇか…。
この川を渡りたいなら、俺の渡し船に乗るといい。
なに…?渡し賃を持っていないだって…?
よし、こうしよう。
俺はいま、ある問いを抱えているんだ。
前に来たあんたたちに似てる人らに
問いて貰ったんだけど、その答えを忘れちまって、
それを解決してみせてくれたら、
あんたらをタダで向こうまで渡してやろう。
問いはこうだ。
船頭一人、狼一匹、羊二匹が川を渡ろうとしている。
ただし、ルールが三つある。
一、空腹な狼は、隙あらば羊を食っちまう
二、船頭が居れば、狼は羊を食わない
三、船には、船頭ともう一匹しか乗れない
ただ、どうやらこの問いには
最善手というものがあるらしい。
一人は留守番になっちまうが…。
それぞれの役割を表す札と櫂を配るから、
実際にその最善手というものを
俺に演じて見せてくれ。
ー弥生駅の船頭ー
な、なんと!恐れいった…。
こんな難解な問いを悠々解くなんて…!
では、約束通り対岸へ船を出すぜ!


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。