第9話

大丈夫
1,611
2024/02/15 13:45 更新


        『おれ、いふ。しんじて』


💎
「ぁっ…ッッぇ?」


理解ができなかった
いくら知能が高い猫でもここまで文字を打つことは出来ないだろう。そうするとほんとうに…?


でも人って猫になれるものだっけ?
それとも、いふくんが死んで、憑依した、とか?




混乱しすぎてファンタジー的な考えが頭に浮かぶ
いくら考えても、答えが出ない
💎
「きみ、はッ……ぃふ、くんッッ?」
🐱
「ッ!にゃん!!!」


肯定するように鳴いた猫ちゃんが僕の胸元に擦り寄ってくる

💎
「ぁ、えっ、…なん、でッッ?カヒュッ、いふく、ゲホッ、カヒュ、ぁッッ、」ポロポロ


情報量の多さに頭がショートして、
息の仕方が分からなくなる。

探し続けていた人が本当に目の前にいるのかもしれない期待と、現実味のない現状が交差してわけが分からない


🐱
「ふにゃッッ?!にゃぁぁ…ッッ!」
猫ちゃんが心配そうに僕の顔をのぞき込む
🐱
「にゃぅ…にゃッッ!!」
タッタッタッ




力が入らなくてゆるまった僕の腕から猫ちゃんが飛び降りる。その青い毛並みの後ろ姿が、何故かいふくんの後ろ姿を連想させて、必死に手を伸ばした

💎
「ぁッ、カヒュッ まってッッ…ゲホッゴホッ!」
 
💎
「ぉいてッ、ヒュッ、かなッ、でッッ」ボロボロ


動かない体に鞭を打って追いかけようと試みるも、力が入らず、バランスを崩して膝から崩れ落ちてしまった


また、ひとりぼっち?
また、僕の傍から離れていくの…?




やだ…やだやだやだッッ、そんなのッッ

もう、耐えられないよッッ
💎
「ぁ゛ッッ、カヒュ、ぅっ、ぁッ」

段々と視界が黒く滲む
目の前が真っ暗になっていく
座っている事も出来なくて、前に倒れこもうとした




🥂
「ほとけッッ!」
君の声が聞こえたような、

そう思いながら僕は意識を落とした





​───────​───────​───────​─────
I side



ほとけが名前をつけるって言った

だからパソコンで文字を打てば俺だって伝えられると思って、喜んでくれたりするのかな…なんて思いながら、何とか入力した文字


その文字を見て困惑するほとけ
💎.
「ぁっ…ッッぇ?」

大きく見開かれた彼の瞳にパソコンの画面が反射する
💎.
「きみ、はッ……ぃふ、くんッッ?」
🐱.
「ッ!にゃん!!!」


気付いてくれた。
そう思って、ほとけの胸元に頭を擦り付ける
💎.
「ぁ、えっ、…なん、でッッ?カヒュッ、いふく、ゲホッ、カヒュ、ぁッッ、」ポロポロ

ほとけがガクガクと震えているのが俺の体に伝わってくる。さっきまで強く抱き締めてくれていた腕の力がどんどん抜けていく



なんで…?

どうすれば良い?こんな小さい猫の体で何が出来る?今の俺では、背中を撫でることも、声をかけてやることも出来ない

🐱.
「ふにゃッッ?!にゃぁぁ…ッッ!(ほとけッッ?!落ち着いて…ッッ!)」

いくら俺が必死になって声をかけても、目の前にいる君には届かない。こうして迷っている間にもほとけの息がどんどん荒くなって、倒れ込みそうになっている


なにか、なにか、ほとけを助けられる方法は…ッッ





ふと頭によぎったのは、『お守り』
俺が猫の姿になってしまった時、確か、あのお守りを触った。猫になって、あそこから逃げたいって思いながら


もしかしたら、願えば変われるのかもしれない
ファンタジー的な考えではあるが、実際に俺は猫になってるし、可能性にかけても良いかもしれない
🐱.
「にゃぅ…にゃッッ!!」
タッタッタッ



力の入っていないほとけの腕から抜け出して、リビングに向かう。ほとけが後ろで俺を引き止めるような声が聞こえる。思わず止まりそうになったが、今はほとけを助けたい。抱きしめてあげたい。



リビングのソファに綺麗に畳まれた俺の服
申し訳ないと思いながらもそれを崩してお守りを探す
🐱.
「んにぃ〜ッッ!にゃふッ…!」
モゾモゾ

ポトッ
🐱.
「にゃぁ!!(あった!!)」
お守りが床に落ちる
ただ1つ、変わっているところがあった


青い猫が描かれていたはずのお守り
何故か、ジンジャーマンのシルエットのようなものが描かれていた

でも、今はそんなこと気にしていられない
きっと、願えば変われる


そう信じて、お守りに触れた
🐱.
「んにッッ…!」
ぼふっっ





瞬間、白い煙に包まれる
少し、体が重くなるのを感じて、目を開いた


🥂.
「ん゛っ…ぁ?」
かなり高くなった視線
喉から出る低い声
🥂.
「もどっ…た…?」

久々の人間の体は動かしずらく感じる


ひとまずこれでほとけの所に行けるッ、早く行かないと、そう思って体を起こそうとした。

そこで俺は1つ違和感に気づく

🥂.
「ぁれ、…おれ今、服きてない…?!」

やけに視界に肌色がよく映ると思ったらまさかの全裸だった。

良く考えれば、猫の時は服を着ていないのだから人間に戻った時も来ていないのは普通な気がする。しかしこんなにもファンタジー感があるのにそこだけはしっかり現実なのか、とツッコみたくなった。



とりあえず椅子にかけてあったほとけのオーバーサイズのパーカーを上からはおり、急いでほとけの所へ向かった












🥂.
「ほとけッッ!」

部屋に駆け込んだ時、既にほとけは床に転がっていた

🥂.
「ほとけッ、ほ、とけッッ…!!ポロポロ」
💎.
「ヒュッ…ぁ゛、カヒュッ…ハァ!」
さっきまで過呼吸ぎみだったのもあってだいぶ息が荒い



ギュッッ
🥂.
「ほとけッ…大丈夫やよ…大丈夫ッ」
前よりも一回り小さく感じるほとけを抱き締める

俺の音が聞こえるように、胸元にほとけの顔を埋めて背中をゆっくりさすってやれば小さくて可愛らしい寝息が聞こえた

💎.
「すぅ…すぅ…んっ」
🥂.
「…」なでなで

また赤くなってしまった目を優しくなぞる
寝ている時のあどけないような表情が昔と変わっていないことに、凄く安心した



ほとけを抱き上げてベットに寝かせる


そういば、まだほとけのパーカーを着たままだ
ほとけも少し落ち着いた様子だし、自分の服に着替えようと立ち上がる







ふと、机の横に置いてある写真立てに目がいった



カタッ
🥂.
「これ…」

星が瞬く空の下、グループ結成当初に2人で撮った写真



今思えば、俺はこの時から
🥂.
「お前が、好きやったんよね…」






懐かしいものに思いを馳せながら、俺はリビングへ向かった




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投稿が大幅に遅れてしまいすみません💦


武道館ライブの準備や、メインで活動しているXでの
イラスト合作、依頼が溜まっておりまして…💦


投稿頻度が減りすぎないように頑張りますッ😭




活動休止をなさっている今、少しでも皆様に尊いをッッ
届けられるように頑張りますッッ😭️🔥💪

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