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第1話

駅前
14
2022/12/29 01:11
あなた
…はぁ…
あなたの名字あなたは疲れ切っていた。
家まではまだ距離がある、駅から15分歩かなければならない。しかしもうフラフラだ。
おまけに雨も降ってきてしまった。
天気予報士め、全然あってないじゃないか。
傘なんて持ってきてないのに…
そんなことを思いながら駅で立ち尽くしていると、黒い傘を持ち、パーカーのフードを深く被った背の高い男が近づいてきた。あなたの知り合いにこんな背格好の男は居ないため、自然と警戒してしまう。
??
すみません、一晩泊めてください
突然のことに戸惑うあなたの様子を見てクスリと笑う男。その表情にあなたは少し苛立ちを覚えた。
あなた
あの、いきなりなんですか。失礼だと思うんですけど
??
あー、ゴメンナサイ、怪しいですよね。
男はヘラヘラと笑いながら自身の頬をかく、その頬は赤く腫れていた。
それが目に入り気になって、この不躾な男に仕返しと言わんばかりに尋ねてみた。
あなた
…その頬、どうしたんですか?
??
んー…さっき彼女にこっぴどく振られちゃったんです。その時にビンタされて。
ビンタまでされるなんて、この男は何をしたんだろう。きっと浮気とかそんなところだろう。
そう考えていると、男はまた笑い出した。
??
俺、彼女と同棲してたんですけど、振られちゃったんで帰れないんです。だから誰かに泊めてもらいたくて
あなた
ネットカフェとか、あるじゃないですか
??
お金も置いてきちゃったんです。
あなたは呆れ果てていた。
目の前の男は多分、見た目がいいから彼女に養ってもらってたんだろう。まあ、こんな男があなたの一人称(僕、私、俺など)なんかに手を出すはずがない。そう思い直し、好奇心にも後押しされ、OKを出してしまった。
それが自分の運命を大きく変えることになるとは思っていなかっただろう。
あなた
…いいよ。ただ、家には布団しか無いから。あと、その傘に入れて。
??
…OKされるとは思わなかったです
あなた
なに、行かないの?
??
いや、助かります。。よろしくお願いします。
あなた
……名前、聞いてなかったよね。あなたの一人称(僕、私、俺など)はあなたの名字あなた。
ルイ
あなたの名字さんって呼びますね。俺はルイって言います。
こうして、怪しい男ルイとあなたの一人称(僕、私、俺など)の生活が始まった。

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