第2話

 02 .
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2024/07/02 02:54
















 los
 los
 はーい 、出席取りますよ〜 
 ini
 ini
 あなた 、今日も笑いものやったな 
(なまえ)
あなた
 いぬい〜〜 … 











 前の席に座っている女の子が振り向いてそう笑う


 高校で知り合った友達 、戌亥とこちゃんだ .




 おっとりしてるけど案外毒舌で 、


 面倒見が良くて勝手にお姉ちゃんだと思っている .









 ini
 ini
 またゲームしてたんやろっ 
(なまえ)
あなた
 う …… 正解です 
 ini
 ini
 だから言ったやん〜 、
 ほどほどにしなさいよって 
 ini
 ini
 内申点に響くんやから 
(なまえ)
あなた
 違うんだよ 、昨日は
 ど〜〜〜してもクリアしたい 
 クエストがあって ……
 ini
 ini
 はいはい 、言い訳は聞きません〜 
(なまえ)
あなた
 そんなぁ 、  











 うなだれる私にいぬいは楽しそうに笑った .









 los
 los
 えー 、小柳くん ……
 小柳くんはまた来てないんですか ! 
 ini
 ini
 … まぁ 、でもあなたより
 内申点に響きそうな人おるけどね 











 先生が困ったように眉を下げる .




 いぬいがちらりと視線を送ったのは


 私の隣の 、ぽっかり空いた席だった .









(なまえ)
あなた
 小柳くんがいるから
 私も安心してるところあるよ 
 ini
 ini
 ばか 
(なまえ)
あなた
 いて 、  











 私の隣の席の 、小柳ロウくん .




 彼が朝に教室にいることは滅多に無い


 私と同じく 遅刻常習犯 ということで


 勝手に仲間意識を芽生えさせているものの 、


 彼と話したことは1度も … 無い .









(なまえ)
あなた
( ていうか 、声聞いたことない気するな ) 











 あまり群れるタイプでは無いのか 、


 クラスメイトと話してるところは見た事がない .









 kyng
 kyng
 …… 
(なまえ)
あなた
( あ 、来た … )
 ini
 ini
 あなた 、食堂行こ 
(なまえ)
あなた
 あ 、うん〜 











 すれ違った彼からはいつもムスクの香りがする .




 シャープな輪郭に整った顔立ち 、


 キリッとしたつり目を眠たそうに細めてるのが印象的で


 少しばかり目で追ってしまった .









 ini
 ini
 今日ものんびり登校やねぇ 
(なまえ)
あなた
 私も出来るならそうしたいなぁ … 










 良くも悪くも近づき難いオーラが出ていて 、


 周りの人達も近づこうとはしないみたいで .




 よく昼に来るけど親御さんは怒らないのかな とか


 ご飯食べてるの見たことないな とか .




 そんな彼が不思議で 、だけど


 本人に話しかける勇気はとても無かった .









(なまえ)
あなた
 いぬい 、今日バイト ? 
 ini
 ini
 そうなんよ〜 、だから一緒に 
 帰れへんけど 、ごめんね
(なまえ)
あなた
 全然だいじょぶ ! 











 放課後 、先に教室を出るいぬいを見送り


 私も教室を出る .




 靴箱を出て校門に近づくと


 私の通学路とは反対方向に歩く男子二人組が


 視界に映った .









 akg
 akg
 でさ〜 ! テツがほんっとに面白くて 
 mob
 あ 、ウェン ! また明日な〜 
 akg
 akg
 あっ 、ばいばーい !
 でさ〜 … どこまで話したっけ ? 











 今さっきまで隣で授業を受けていた小柳くんと 、


 その横で楽しそうに話すのは


 隣のクラスの赤城ウェンくんだった .




 そのフレンドリーで明るい性格で


 誰とでも仲良さそうに話してて 、


 男女問わず人気のあるウェンくん .




 そんな彼が小柳くんといるのは


 あまりにも珍しい組み合わせで


 思わず目で追ってしまった .









(なまえ)
あなた
( 小柳くん 、返事してるのかな … ) 











 ウェンくんの賑やかな声は聞こえてくるものの


 小柳くんの声はここからでは聞こえず 、


 会話成立してるのか ? と思ったりもしたけど .




 それでもウェンくんはとても楽しそうにしてるから


 余計なお世話か …… と私も彼らに背を向け


 自らの帰路に着く .









 家に着く頃 、私の頭の中に既に彼らは消えてて


 ただ1つのことで埋め尽くされていた .









next .

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