あなたさいど 交際済み 大学生
カバンの中で潰れていないか、ラッピングのリボンがずれていないか、キャラメルがカバンの中で溶けていないか。
大学に来てからずっと同じことが心配で、カバンから少し取り出してはまたしまう。
意味の無い行動のせいで逆にラッピングの袋がぐしゃぐしゃになってしまいそう。
初めての彼氏。
講義室の移動の際にすれ違うだけの関係性だったが、友人に強制的に行かさ…励まされて連絡先を交換。
私の猛アタックの末に付き合えた人。
付き合うって、初めての事ばかりで不安になる。
最近は蛙化とかもあるから、ひとつでも間違えてしまったら幻滅されてしまうと思うと、心配が耐えない。
ながつきくんと会うのは今日のお昼。
受け取ってくれる、かな。
すれ違う時に見れた、無表情や友人と話す顔とはまた違う顔。
嬉しそうというか、安心した顔。
なかなか自分の気持ちを教えてくれない人だけど、いつもこの顔を見るから、彼にとっての私の存在に安心できる。
陽気な声が響く食堂内で決して大きな声ではない、落ち着いた会話をする。
少し行くのが怖かった食堂だけど、ながつきくんと行くようになってからは何も怖くない。
優しく笑う姿が先程までの緊張を和らげてくれた。
今なら、渡せる。
カバンから崩れていないラッピングを取り出す。
焦ってちゃんと見ずに渡してしまったけれど、リボンはずれてないし、キャラメルもくっついてない。
良かった。
突然のフレーズに、周りの声が消えた。
嬉しい気持ちと処理しきれないドキドキを隠すために自分の顔を覆う。
精一杯絞り出した声は色々な声にすぐ溶けたけど、彼だけは優しく笑って、私の頬に触れた。
触れる温度で、私が先に溶けた。
敬語のイメージしかないので解釈違いかもです。
キャラメル
あなたがいると安心する 癒される
(誤字を見つけたので修正しました)













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!