♯08 記憶にない
どうやら私は
このクソの眼中にもなかったらしい
腹がたったので、私の記憶からも消しておく。
なんだこいつ、といわんばかりの目で
私を睨んでくることにも腹が立つ。
私の持っていた紙袋に目を光らせている
呆然としていると
後ろから声がして 勢いよく振り返ると
そこには 背の高い女性が
そう言って私ともう一人の間を抜けて
行ってしまったお隣さん
最悪のな、と心の中で強調しておいた
はにかむフィリックスの顔は
実に女性染みた顔立ちだ。
どいつもこいつも
プリンにしか興味がないらしい
しょんぼりと物欲しそうに見てくるので
私の良心がさすがに 耐えれなかった。
大きなリアクションをしながら
精一杯喜ぶフィリックス。
では おやすみなさい。と一言残して
行ってしまう。
はたして あれが彼の本当の性格なのか否か。
私はまだ 知らない
…
♡×50→next














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。