ココアを口に流し込むと、口と歯と喉が火傷しそうになった。改めて口に残ったココアを舐めると、市販のとは違って、カカオの香りが口いっぱいに広がり、違和感の無い甘さがとても美味しかった。
マグカップを持ったまま、部屋を抜ける。扉から出ると、目の前には大広間?があって、“カルマ”さん、“ファルカ”さんと知らない人が三人ほどいた。一人は目つきが鋭い男性で、一人は私より小さい男の子、三人目はセーラー服を着た中学生くらいの大和撫子。バリエーション豊か?な人達が其処には居た。
この声。あの時と同じだ。少し怖くなった。狼のような目が自分を捉えている事が何と無くわかる。
砂崎射寓。それが目の前にいる青髪の名前らしい。てか、コードネームとかそんなので話し合っているのかとか思ったけど、別にそんな事ないっぽい。思いっきり名前を出してきた。
自分をここまで連れて来た犯人_____砂崎射寓こと“ジャック”さんは見た目に反して、意外にも素直?だった。落ち込んだ姿を“カルマ”さんが慰めている。
__________正直、可愛いなと思った。
見るからに大和撫子の片方は意外にもキャピキャピしていた。馴染みやすそう…とか思ったけど。水色の方は“ヴァンシー”と言うらしい。確か、死人が出ると泣いて知らせる妖精だっけ?それ以上でもそれ以下でも無いのは、まあそうだけど。
「できる秘書」の様に、あるはずの無いメガネの蓋をクイッと上げる“ファルカ”さん。“ジャック”さんが言う前に電話している時点で、凄いメイドさんだろうなと思う。
どうやら、“ファルカ”さんは本部に最大のコネクションがあるらしい。……どうしてそんな凄い人が支部に来たんだろう。今思ったけど、此処支部なのか。随分と大きそうだけど。
近づいてきた“ヴァンシー”くんから手渡されたのは、カラフルな紙に包まれた、小さな物。“ヴァンシー”くんが言うに、「キャンディ」らしい。確かに、口へ入りそうではある。
中を開けてみると、水色の透き通った小さな塊。これはまんま、キャンディだ。
頭を元気よく縦に振る。口に放り込めば、すぅーっと口のなかに爽やかなミントの香りが立ち、飲んだことのあるサイダーの味がする。なんか、お腹いっぱいになる様な味だ。
_____いつも、夜ご飯の代わりに食べていたからなのか?











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。