NO 視点
ネットニュースを見ていたスマホを、スクロールしていた手を止めて、舌打ちと共に投げ出した
バキ、なんて音がして、壁と激突したスマホが文字通り二つ折りとなって床に落ちた
ドコッ、と蹴りを何度も入れる。入れられた人はヒーローらしく、足の健が切られていた
「ねぇ、どうしてくれるの?」と目は笑っていないそれを浮かべながら、切った足を踏みつける
冥闇はヒーローが吐き捨てた言葉をオウム返しに呟いてから数秒、大口を開けて笑いだした
そしてそれが落ち着くと、先程とは違い心からの笑顔を浮かべてしゃがみ込む
ただ事実のみを述べ、彼は裁かれるべき人物であるとまるで洗脳のように言い聞かせた
健を切ったまま、手当てもせず放置していたために、ヒーローは貧血を起こし気絶しかけていた
「よっこらせ」と言いながら、立ち上がり見下ろす
ぼんやりとする意識の中、ヒーローが最後に見聞きしたのは達観した顔立ちの少女のヴィラン名であった












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!