「 ねぇ、今日の夜暇? 」
「 会いたいなって… 」
『 ごめんなぁ、これから任務入ってん 』
『 遅くなるけど、終わってからなら会えるで! 』
『 俺も会いたいけど任務放棄する訳にもいかんし 』
『 どうする?それでもええなら会えるけど… 』
「 これから任務かぁ 」
「 マナくんも疲れてるだろうし今度にしよっか 」
『 ほんまにごめん、また今度会おな! 』
<マナ~?早く行くよ!>
『 今行く! 』
『 じゃあ、もう行くから切るな 』
『 おやすみ 』
「 うん、おやすみ 」
「 任務頑張ってね 」
そう言って電源を落とすと
聞こえていたはずの明るい声は聞こえなくなり
異様な程に綺麗にされた部屋で一人
どこから来たのかも分からない綺麗な黒猫を撫でた
瞬きをすると撫でていたはずの猫が消え
もう一度瞬きをすると
首にかけてあったネックレスのデバイスが鳴った
何度も聞いたはずのこの音は
やっぱりいつまで経ってもうるさくて仕方がない
なんてことを考えながら直ぐに着替えて
冷たい玄関の扉をゆっくりと開ける
外に出てすぐ見る見慣れた街並みには
私の仲間と戦う本物の"ヒーロー"さん
「 私だって、正義のヒーローになってみたいのに 」
溢れた本音は冷たい風に流されて
私のヒーローさんには届かなかった












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。