第2話

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2024/07/18 15:39 更新

 あの子はどうやら、いつも朝の8時14分くらいにこの道を通るようだった。またここを通るのは夕方の6時27分。
学校は志兎中学校。学年は2年生。クラスは2年3組。出席番号は4番。名前は彩谷アヤタニ アサヒ。誕生日は9月7日で、親友がひとり。性格は悲観的で人見知り。友達が少なく、いつも同じ人と話している。下を向いて儚く朧気な雰囲気を纏っている。運動は苦手で勉強は中の下くらい。勉強を気軽に誘える相手もいないからいつもひとりで頑張っているらしい。親友には友達が沢山いて誘うに誘えないみたいだ。僕なら絶対に付き添ってあげるのに、
そうやってその子を詮索していき、新たな一面を知る度に虜になっていった。



 6月30日、母に相談をした。
自らの欲のために嘘をつらつらと並べ事を話した。母はそれに信じ込み、直ぐに動いてくれるようだった。
「夏休みの終わりに新しい学校に通い始めよう。ちょっと急かもしれないけれど、学校に話は通しておくからね。」
その言葉を脳内で再生する度に口角が勝手に上がる。あの母の心配そうな表情には少し罪悪感を感じたが、それをも上回る達成感と期待が僕の周りで渦を巻いている。
あぁ、これから楽しみだ。



旭のことを調べている内に、親友のことについても徐々に分かって言った。
名前は 椛田はなだ ゆう。独特な雰囲気を纏うその少女には沢山の囲いが居り、信仰を集めていた。其奴と旭の席が隣同士になった際、意気投合し仲良くなったらしい。旭は多分、騙されているんだと思う。あんな胡散臭そうな奴、旭の隣は似合わない。彼奴は要注意人物だ。僕が旭と関わり始めたら、絶対に首を突っ込んでくるだろう。その時にまた色々な情報を抜き取ってやる。

そんなことを考えながら今日もカメラのフォルダを見ていると、時計が1を指していた。


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