それから1ヶ月が経った。
キムスンミンは仕事に復帰、縁を切ったお父様に引越しの話をなしにするため直談判しに行った。
もともと縁を切った息子を想い、異動命令を出していた会長であるお父様はスンミンが言うならとすんなり受け入れいつも通りの日常に戻ったのである。
色んなことが重なってどれから手をつけたらいいかわからなくなって爆発してしまったスンミンだったが、霧が晴れたようにスッキリとした顔立ちで今は仕事に励んでいる。
俺はと言うと、昇任試験で見事合格し昇進した。
お互い今のところ上手くいっているのである。
── Seungmin side ──
全てが上手くいっている。
昨日も。
今日も。
まるで俺が潰れていた事が無かったかのように。
みのさんは隣で規律正しい寝息を立てている。
休日とか関係なく時間にルーズにならずに平日と同じ時間に起きるものだと思っていたが、そうではないとみのさんが教えてくれた。
休める時には休まなければならないことを最近ちゃんとみのさんから学んだ。
まっすぐ寝ているみのさんに届かない呟きを残し、なんとなく目を逸らした。
こんなにも上手く日常が戻ってくるとは思っていなかった。
何もかもが上手くいっているせいか、毎朝理由のない不安に襲われる。
こんなにも眩しくて暖かい朝を迎えるのはまだ気が引ける。
何もかもが上手くいかなくて、何もかもがどうでも良くなって投げ出したくなって、叫びたくなっていたあの頃の自分には到底想像の出来ない朝。
あの時の自分には少しも光が届かなかった。
みのさんという光以外は。
また。
またおかしな方向に思考が行っているような気がする。
1度マイナスな思考になると止まらなくなってしまった。
心がブレーキをかけるようにどんどんどんどんマイナスへと深く……
深く
深く
寝ぼけ眼でみのさんが頭の寝癖を手でならす。
みのさんが笑顔でガバッと布団ごと覆いかぶさってくる。
にっこーーっと寝癖の治りきっていない髪の毛で屈託のない笑顔を俺に向ける。
そのせいでふっと笑みがこぼれた。
ほぼ即答でみのさんがムッとした顔を見せる。
これが年上の包容力というものなのだろうか。
ふわっと笑いながら俺を抱きしめて頭を撫でる。
幸せだ。
みのさんが近くにいるとあの不安が、暗かった世界がパッと明るくなって無くなってしまう。
柔らかくて
優しくて
暖かくて
まるで包み込まれるような
そんな声。
ぎゅーーっと頭まで包み込んでみのさんがそういった。
自分の耳元でみのさんの鼓動がとくん…とくん…と絶え間なくなっている。
大丈夫、
生きている。
真っ直ぐに。
少しだけ特別な朝ごはん。
そんな朝。
きっとこれからもこういう日常が続いていく。
大丈夫。
ふたりできっと歩んでいける。
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いつの間にか最終話になりました…😭
たまたまスピンオフっぽくポツポツ書くかもしれませんがその時はまた読んでくださると嬉しいです☺️
最終回なのでなんかもっといいこと言えたらいいんですけど笑笑
全く言葉が出てこないのでこれにて以上とさせて頂きます笑笑
また次の機会がありましたらよろしくお願いします!















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。