junkyu side
ジフンは、デリバリーの朝食を食べ終わると、
すぐに「俺は先に行ってくる」と言って、
僕をマンションに残して一人で出かけた。
僕は、ジフンに借りたTシャツ姿で、広いリビングのソファに座って、窓の外をぼーっと見ていた。
(僕には怖くてできなかったことを、ジフンは何の迷いもなくやってくれる。ジフンの強さが、僕の止まっていた時間を動かしてる。)
ジフンは、僕にハルトの部屋の鍵と、
車の鍵を渡すとき、こう言っていた。
jihoon 「全部片付けて、車も引き上げる。お前は、最終確認と挨拶だけつけに来い。余計なことは考えなくていい。」
その言葉は、「ハルトの場所にはもう関わるな」という、ジフンなりの強い決意だった。
昼過ぎ、ジフンからの連絡で、僕はタクシーに乗って、ハルトと住んでいたアパートへ向かった。
アパートの前に着くと、大きなトラックが停まっていて、ジフンが作業服の男の人達に指示を出しているのが見えた。ジフンは、汗をかいて、真剣な顔をしていた。
ジフンは、僕に気づくと、ぶっきらぼうに言った。
ジフンは、僕の肩を軽く叩いた。
僕は、恐る恐る部屋に入った。
部屋は、床と壁だけになっていた。
ジフンは、僕の背中に立ち、僕の肩に手を置いた。
僕は、空っぽになった部屋を見回しながら、
静かに言った。
僕は、ジフンに向き直った。
その瞳は、もう迷っていなかった。
ジフンは、僕の肩を強く掴んだ。
その一言で、僕のハルトとの生活は、本当に終わった。
僕たちは、空っぽになった部屋を出て、車に積まれた僕の荷物をジフンの高級マンションへ運んだ。
その日の夜、僕はジフンに抱きしめられながら、
ハルトが残したレポートを膝の上に広げた。
ジフンは、僕の手に持ったレポートを、
邪魔そうに軽く叩いた。
ジフンの優しくない、でも確かな存在感が、
僕の全てを包み込んでいた。
僕は、ハルトがくれた自由という贈り物を抱えて、
ジフンの熱い腕の中で、
ようやく自分の居場所を見つけ始めた。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!