ヒロ side
それから、俺たちはたくさん遊んだ。
ジェットコースターは丁度列が長くて乗れなかったけど、みんなで夕日が落ちるギリギリまで笑い合っていた。
そして、閉園時間。
あなたの下の名前ちゃんがくれたポップコーンの味が蘇ってきて少し悲しくなる。
あなたの下の名前ちゃんとうららちゃんが遊園地の入口で写真を撮っているのを、目を細めて眺める。
あなたの下の名前ちゃんの透明な瞳が、夕日に照らされて輝いている。
はしゃぐ姿も可愛らしい。
じゃっぴが言っていたけど、本当に遊園地は初めてだったんだ。
そう言えば、れなちゃんはあの二人と写真とらなくていいのかな?
そう思って辺りを見回すと、
不意に背後からつんつんと背中をつつかれる。
探していた本人、れなちゃんがそこにいた。
ふっと笑う彼女は、なびく黒髪を耳にかける。
彼女は俺を見てそう言った。
わずかに口角が上がっている。
何もかも見透かしたかのような彼女の青い瞳から目をそらし、あなたの下の名前ちゃんとうららちゃんが戯れているところを遠巻きに眺める。
零奈ちゃんも俺と同じ方を向いて、小さな声でこの一日のことを紐解く。
俺はただ肯定も否定もせず、静かに笑って、ただあなたの下の名前ちゃんたちを眺めた。
うららちゃんと鈴を転がすように笑い、はしゃいでいる。
つい3日前までは想像できなかった光景。
虐待やいじめの痕だらけでぼろぼろで泣いてたはずなのに。
よかった、と思った。
安直だけど、それ以外の言葉が見つからない。
この計画を立ててよかった、と、心の底から安堵していた。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。