…さかのぼるほど数分前
私たちはお化け屋敷の入口のところへついていた。
柳の葉っぱが揺れてたり、白い漆喰の壁に瓦の和風な家がそびえ立っている。
所々汚れてて年代がさらにこう…何というか…恐怖感を醸し出してる!!
無理無理無理絶対死ぬっっっっ!!
雰囲気で殺されちゃう…っ!
私はそう言いながら、目線を走らせた。
さっきからうつむいて一言も喋らず人形のように固まってるうらに。
うらはゆっくりと、でも強く首を横に振った。
うらは最初は優柔不断なのに、コレと決めたら貫く人だ。
きっとこの決断も変わんない。
もうすでに大丈夫じゃなさそうだけど()
チームわけ
じゃっぴ・たっつん・どぬ
(絶叫チーム)
ゆあんくん・シヴァさん・なお兄
(丁度いいバランスチーム)
もふくん・うり・ヒロくん
(なんか叫ばなさそうなチーム)
るなちゃん・のあ姉・うら
(めちゃビビりそうなチーム(((()
えと姉・れな・あなたの下の名前
(強がりそうチーム(((()
じゃっぴチーム
逃げる~ε=ε=┏(゜ロ゜;)┛
さらに逃げるεεε=( o`ω′)ノ
ゆあんくんチーム
もふくんチーム
キキキキッ!!(こうもりの鳴き声(((()
(この迷路は入口が5つあって、みんなそれぞれ別れました)
のあ姉チーム
…未だ入口から一歩も動いていないご様子
みんなそれぞれ散り散りに逃げ出した。
あなたの下の名前視点
ほんとに心臓に悪いっっっっ!!!!!!
なお兄恨むぅぅ…
※フィクションです
突き当たりからいきなりお化けが飛び出てくる。
やっぱり黒髪の女の人でケタケタと笑っている。
無理無理死ぬ!!
どの曲がり角を曲がったかわからない。
でも、曲がって曲がって、お化けに遭遇して、いつの間にか全く知らないところにいた。
…一人で。
一人ではさすがに怖すぎる。
このままずっとここにいる…なんてことはさすがにないよね?
一人になった途端急に心細くなって、座り込む。
もうやだよぉ…
恐怖で泣きそうになったときだった。
うらの悲鳴が微かに聞こえた。
その途端、嫌な妄想が頭の中をよぎる。
暗所恐怖症は前、私の前で一回発症したことがあった。
すごく辛そうに悶えていて、その時は何も見れないし死にものぐるいで走り出してしまうから申し訳ないとまで話していた。
この迷路お化け屋敷でそんなことが起きたら…
スッと血の気が引く。
同時に、迷子になって永遠に暗所恐怖症を発症したまましゃがみ込んで泣くうらが脳内に勝手に流れた。
…探しに行かなきゃ!!
その選択肢以外が見つからなかった。
無事を確認するだけでいい。
複雑な迷路じゃないし、いくら混乱してたとはいえ来た道くらい覚えてるはずだ。
声的に結構遠かったけど、ここ自体あまり大きくないから、端と端にいたとしても1~2分でつく。
私は自分の足を奮い立たせ、その場を離れた。
とはいえ。
やっぱり声だけで場所を判断するのは難しい。
う~ん…
声が聞こえた方向を必死に思い出していると、遠くの角からひょこっと女の子が顔を覗かせた。
ぼさぼさの黒髪に黒目がちの瞳、白いノースリーブワンピース。
小さな手にはボタン目のくまのぬいぐるみが握られていて、くまちゃんの下半身は床の上でくたっと倒れている。
思わずびくっとする。
でも、スタッフさんにしては小さいし、お母さん達もいないし。
きっと迷子かなにかだな。
そう思った私は、内心ビクビクしながらにっこりと笑う。
彼女は無言で笑う。
雪のように透き通った白い肌は、ぼんやりと光ってるように見えた。
おろおろしてる私を見て、彼女は顔を変えずに細い腕をゆっくりと持ち上げた。
そのまま指をさしたのは、一つの通路。
首を横に振り、またしても笑ったまま今度は私を指さす。
自分でも自分に指先を向け、首をかしげる。
彼女の微笑みがほんの少し揺らぎ、深くなった。
そのままこくんとうなずく。
そんなことわかるわけない。
笑うと、彼女は少し頬を膨らませて、もう一度右の通路を指さす。
もう一度、見間違いなくうなずく彼女に、私は目を剥いた。
なんで…?
でも、そんなこと言ってる暇無い。
今もうらは震えてるかもしれないんだし!
私はそう言って、右の通路に飛び込んだ。
うらは予想より早く見つかった。
行き止まりの通路で体育座りのまま震えていた。
さっきまで大人しかったうらが、急に暴れ出す。
急いで抱きしめて、暴走を止める。
肌はひんやりと冷えていて、いつから一体ここにいたんだろう。
なおも背中をさすっていると、足音が聞こえた。
どんどん近付いてくる。
スタッフさんかな。みんなかな。それとも、あの女の子が来た?
ヒロくんが慌てたようにこっちに近付いてくる。
ヒロくんだったから、ちょっと安心。
ここでじゃっぴが来たら叫んでうらの症状悪化しそうだからねw
ヒロくんが私たちを見比べて、言葉を選びながら声をかけてくる。
少し考えて、ヒロくんはうなずく。
弱く笑ううらは生気の無い目で私たちを見た。
こっそりヒロくんを盗み見る。
ヒロくんは緊張したようにうなずいた。
うらをおぶったヒロくんは、恥ずかしさと申し訳なさで消えそうに小さくなってるうらに笑いかけた。
こんな時になぜか心が痛くなる。
二人が仲良くしてると、なぜか。
私はそんな感情を振り払うように小さく首を振った。





























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!