第10話

#9 見つかるもの
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2026/07/12 01:00 更新
このお話は#9です
今回は「その出来事が起きた次の日」を描いています
それでは さっそく本編へ行ってみよう~
【3階廊下】
その日の朝の空気は いつもより少し重かった
理由なんかわからない
でも どこか____重たい空気が流れていたと思う
はじめ
はじめ
(…今日は放送がないのかな)
その日の廊下は どこか不気味さがあるような静けさで
毎朝定番だった放送も流れてこない
はじめ
はじめ
クロく~ん、朝ご飯食べに行かない?
私は廊下から クロくんの部屋の前で大きな声を出す
いつもなら すぐに反応があるのに今日は何も聞こえてこない
はじめ
はじめ
(…おっかしいなぁ、朝からどこかに行ってるのかな)
部屋の中を見ようと ドアノブを回し中に入ったが____
はじめ
はじめ
…やっぱりいなくなってる
そこには もぬけの殻となっていて部屋はどこか散らかっていた
いつもなら 看護師さんや施設員さんが散策していて
朝の挨拶を交わすことが軽い日課
しかし 今日は何もない
はじめ
はじめ
…もしかして、先に食堂に行っちゃったのかなぁ
こうして あたしは食堂へ向かうことにしたのだった_____
【2階 西館】食堂前
あたしは1人で食堂に向かっていた
メル
メル
あっ、はじめちゃんおはよ~
メルちゃんが 元気な挨拶してくれる
メルちゃんは歳が同じということもあって すぐに仲良くなった女の子
はじめ
はじめ
あっ、メルちゃん
しばらく雑談をしていたら
はじめ
はじめ
…あっ、クロくんと紀子ちゃんだっ
食堂に入ってきたクロくんと紀子ちゃんを見かけ
はじめ
はじめ
ごめんっ、今日はあっちで食べるねっ
メル
メル
わかった~、お昼ご飯のときに一緒に食べよっ
あたしはメルちゃんにバイバイをして クロくんと紀子ちゃんに話しかけに行く
はじめ
はじめ
2人ともおっはよ~
いつもすぐに返してくれるのに 今日は反応がない
すると____
九郎
九郎
…おはよ
クロくんは あたしの挨拶に一歩遅れて挨拶を返してくれる
だけど___紀子ちゃんの様子がおかしい
その間がとてつもなく長い
_紀子@きこ_
紀子きこ
………
朝食を受け取った紀子ちゃんは 無言でパンをちぎって食べ進めている
いつもこんなことはないはずなのに
斜め前には メルちゃんが座っていて
その少し離れた席にルカくんが スプーンを持ったまま固まっていた
はじめ
はじめ
ルカくんおはよ~
はじめ
はじめ
ずっとスプーン持ったままだけど、朝ご飯食べないの?
あたしがルカくんに声をかけると
ビクッと肩を揺らし
ルカ
ルカ
…わっ、びっくりした
ルカ
ルカ
た、食べるけど…
ルカくんは どこか苦笑いをして
再び食事を食べ進めていた
窓がある席には ヴィクターくんがどこか黄昏れていた
ヴィクター
ヴィクター
……
その姿は 窓を見つめているけど
視線が定まっていなかった
あたしは無事に朝ご飯を済ませ 食堂を出ようとしたときだった
子供
ねぇっ!ちょっときてっ!
あたしより少し身軽な子供達が 勢いよく入ってくる
はじめ
はじめ
ど、どうしたのっ?
あたしは子供達に引っ張られていき ある場所へと向かっていく
その場所は_____
廊下の突き当たりの掲示板前
そこに一枚の紙が落ちていた
子供
これなんだろう~?
1人の男の子が 落ちている紙を拾い上げる
遠くからだとわからなかったけど
どうやら「施設内の管理用紙の一部」だった
ヴィクター
ヴィクター
…下手に触ると危険ですよ
突然聞こえる声
振り返ると ヴィクターくんがいて
メルちゃんやルカくん クロくんと紀子ちゃんがいた
しかし どこか様子がおかしい
あたしは改めて周囲を見渡してみた
クロくんは 表情を察知されないように静かにしていて
紀子ちゃんは 話さないけど指先が震えていた
ルカくんは 紙から視線をそらしていて
ヴィクターくんは 無言で壁に寄りかかっていた
はじめ
はじめ
(この場にメルちゃんとメイジーちゃんがいなくてよかったかも)
あたしは心から安堵あんどする
ルカ
ルカ
だ、誰か呼んだ方がいいかな
ルカくんが紙を見て ポツリとつぶやく
たしかに 大切なものかもしれない
あたしは勇気を出して 紙に触れようとすると_____
九郎
九郎
…やめとけ
クロくんの冷たい声が みんなの注目を浴びる
九郎
九郎
所詮しょせん、ただの紙だろ
その声は 初めて聞くクロくんの声
冷静すぎるほどに____
改めて紙を見る
破れていなくて 名前や内容はわからない
_紀子@きこ_
紀子きこ
…職員の方が落としていったのかもしれませんね
紀子ちゃんがやっと話し出した
紀子ちゃんの声は柔らかかった
だけど___その声は どこかその奥に何かを押し込めているように聞こえた
その場にいた子供達が 互いに顔を見合わせる
子供
…そっか、じゃあ触らないでおくね
納得したわけではないと思う
けれど 押し切られた____
そんな予感がしたのだった______
その後 あの紙がどうなったのかはわからない
楽しかった笑い声はなく 自然に解散された食堂
その場に残ったのはあたしだけ
はじめ
はじめ
(見つかったものは、絶対に「紙」だけじゃないはず…)
絶対に誰かが「何か」を隠している
誰かが「何を知らないふり」をしている
自分だけが知らないこと
それが少しだけ 気に入らなかった
けど____「知らないこと」は罪になんてならない
朝の光が 食堂の窓を照らし
その一角に影が短くあった
そこにはまだ あの「紙」が残っていたのを_____
ということで #9でした~!
実はここはあまりいいお話が思い浮かばなくて かなり悪戦苦闘しながらの公開となりました!
落ちていた「紙」の中は一体何だったんでしょうか…
それでは また次回をお楽しみに~!
ここまでのご閲覧ありがとうございました!

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