第11話

閑話 1 「ある地下牢にて」
22
2024/11/07 10:00 更新
コツコツと足音が響く


格子状の部屋の中

赤髪の少女が座っていた



赤髪の少女
...御父様?


赤髪の少女
お久しぶりです...お母さまが亡くなってから始めてですね


赤髪の少女
新しい後妻様とは...如何お過ごしで?


赤髪の少女
あぁ,連れ子様もいらっしゃいましたっけ?


赤髪の少女
わたくしよりお年が上とお伺いしておりますわ


赤髪の少女の父親
ああ,あいつらとは仲良くやっているさ



赤髪の少女の父親
うちの四天王として,息子はよくやってくれているよ


赤髪の少女の父親
ところで...


柘弥
柘弥
もう昔の様に柘弥御父様とは呼んでくれないのだな



柘弥
柘弥
桜世


桜世
桜世
あら,そうお呼びした方が宜しいの?


桜世
桜世
わたくし,てっきり柘弥御父様はわたくしのことお嫌いになったのかと思っていたの


柘弥
柘弥
...胡澄こちょうとの一人娘を嫌いになると思うかい?


桜世
桜世
...お母さまのことは好いているのは知っていますよ

桜世
桜世
わたくし,あの病のせいで...そろそろお母さまの面影がなくなってしまうもの


桜世
桜世
だったら,柘弥御父様がわたくしに執着する必要はなくなりますから


柘弥
柘弥
あぁ,でもね


柘弥
柘弥
いくら姿が変わろうと,君が大切な娘であることは変わらない


柘弥
柘弥
でも...後妻をとらないと,跡継ぎがいなくなってしまうんだ


柘弥
柘弥
胡澄には悪いと思う...でも,国の為には...


コツン,と高いヒールの足音が響く


魅稚呼
魅稚呼
柘弥様!!


桜世
桜世
...お早う御座います,魅稚呼様


魅稚呼
魅稚呼
呪児じゅじは黙ってなさい!





魅稚呼
魅稚呼
柘弥様,こんなのとお話したら呪われますよ?


魅稚呼
魅稚呼
さぁ,陸翔も待っていますから


魅稚呼
魅稚呼
お早く!


そう言って,魅稚呼と呼ばれた女性は男性の手を引く


柘弥
柘弥
あ...ッ


柘弥
柘弥
またな,桜世




桜世
桜世
...えぇ,柘弥御父様


桜世
桜世
"また,お会いしましょうね"


桜世
桜世
いつまでも待っておりますから


柘弥
柘弥
...あぁ


魅稚呼
魅稚呼
柘弥様!!


怒声が響くと同時に,扉が閉められる



少女の瞳からは,ほんの一筋の涙が零れ落ちた


桜世
桜世
...お待ちして,おりますから...


微かに聞こえる嗚咽に,耳を貸すものはこの空間には誰もいなかった

プリ小説オーディオドラマ