"彼奴"
太宰は今、仕事で海外に行っている
太宰が云うには約1年
後少ししたら、太宰が海外に行ってから1年が経つ
俺はというと
正直、自分に苛つくが
太宰が居ない間、毎日がつまらなかった
始めは太宰が1日に1回電話を掛けてきたから、まあまだ大丈夫だったが…
太宰からの電話が途端に切れてから、溜め息ばかりつき始めたのだ
其処から約半年
太宰の名前を云った途端、目の前がじわぁっと滲んできた
プルルルル
突然、自分の携帯が鳴りだした
中也は仕事の事かと思い、携帯の画面を見た
其処に書かれていた字は
"糞鯖"
ピッ
ピッ
次の日
in空港
太宰は歌っている途中で固まってしまった
太宰の目に映っていたのは、中也である
すると、太宰は少し微笑んだあと、中也に向かって走り、
ギュッ
っと抱き寄せて、力強く抱き締めた
抱き着いてきた彼氏は、まるで幼い子供のようだった
中也が顔を赤くした時、太宰は改めて中也のことが愛おしいと思った
チュ















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!