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第1話

近いけど、遠いそんな存在
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2026/01/08 23:28 更新





気付いたら、ずっと一緒だった。
産まれた病院も、幼稚園も、小学校も、中学も、高校も、
ずっと一緒だった。

でも、時は残酷だ。
16歳の夏。私は父親の転勤で他県に引っ越した。
慣れない土地、慣れない人間関係。
君に会えなくなった瞬間にその気持ちを自覚した。
その気持ちを忘れる為に他の人と、関係を持った。
君がやっていたバレーボールの選手と、付き合った。
でも、長続きはしなかった。

今でも、あの日思いを伝えなかった悔やんでいる。

それから、より一層と3歳からやっていたスケートに打ち込んだ。
大会で金メダルを取り続けた。
君が、…気付いてくれるかもしれないと思って。
そしたら『氷の精霊』と呼ばれるようになっていた。

でも、打ち込み過ぎて23歳までに結婚したいと言う願望は消え失せて、気付けば30代になっていた。

平昌五輪が終わったタイミングで引退も考えた。
でも、自分の気持ちに嘘を付きたく無かった。


そして、ようやくの思いで見つけたと思ったら、君は同じ日本代表でも近いのに遠い存在に感じられた。
高校から始めたバレーボールで世界の舞台に立って活躍する君と、3歳から始めたスケートで世界の舞台に立ったものの、年のせいか飛べるジャンプにも大きな差が出て来てしまった私。

2026年のミラノオリンピックで私は引退することを決めた。
そのタイミングで君は気付いてくれた。

そして、偶然の15年振りの再会。
でも君は私よりも遠い存在になってしまった。
だからもう一度、私は…






















君の隣に居られるように、君の隣に立てるように…











もう少しだけ頑張ってみるよ。






あなた
咲洲あなたの下の名前

1993年7月10日生
身長:165cm
フィギュアスケート女子シングルス日本代表。
バレーボール男子日本代表の"あの人"の幼馴染。
16歳の夏に父親の転勤で山口県に引っ越した。
父親の転勤で会えなくなってしまった幼馴染のことを忘れられずにいる。

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