気付いたら、ずっと一緒だった。
産まれた病院も、幼稚園も、小学校も、中学も、高校も、
ずっと一緒だった。
でも、時は残酷だ。
16歳の夏。私は父親の転勤で他県に引っ越した。
慣れない土地、慣れない人間関係。
君に会えなくなった瞬間にその気持ちを自覚した。
その気持ちを忘れる為に他の人と、関係を持った。
君がやっていたバレーボールの選手と、付き合った。
でも、長続きはしなかった。
今でも、あの日思いを伝えなかった悔やんでいる。
それから、より一層と3歳からやっていたスケートに打ち込んだ。
大会で金メダルを取り続けた。
君が、…気付いてくれるかもしれないと思って。
そしたら『氷の精霊』と呼ばれるようになっていた。
でも、打ち込み過ぎて23歳までに結婚したいと言う願望は消え失せて、気付けば30代になっていた。
平昌五輪が終わったタイミングで引退も考えた。
でも、自分の気持ちに嘘を付きたく無かった。
そして、ようやくの思いで見つけたと思ったら、君は同じ日本代表でも近いのに遠い存在に感じられた。
高校から始めたバレーボールで世界の舞台に立って活躍する君と、3歳から始めたスケートで世界の舞台に立ったものの、年のせいか飛べるジャンプにも大きな差が出て来てしまった私。
2026年のミラノオリンピックで私は引退することを決めた。
そのタイミングで君は気付いてくれた。
そして、偶然の15年振りの再会。
でも君は私よりも遠い存在になってしまった。
だからもう一度、私は…
君の隣に居られるように、君の隣に立てるように…
もう少しだけ頑張ってみるよ。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。