帝から例の選択肢を選ぶため約1週間の猶予を与えられた翌日
あの側近に会いに行くことにした
話を聞きたいと私から申したのだ
時はさかのぼり
現帝の弟君と妹君がお生まれになった5ヶ月後
先帝は成人の女性には興味がなく少女に興味を持つお方だった
そのため、後宮には齢10前後近くの女児ばかりだった
その中で唯一先に“男児”を産んだ皇后
のちの若き皇太后である
そんな皇后は第2子の双子を産んだ時は
当時の現帝、先帝が興味を持つ少女ではなく成人の女性だった
双子は片方がのちの皇弟君
そしてのちの皇妹君であり行方不明の公主様であるあなたの名前(漢字)様だった
生後5ヶ月とすくすく育っていっていく公主様に皇后様は心配していた
それなぜか
それは父親である帝がいつか娘であるあなたの名前(漢字)に手を出すのではないか。女帝と言われていた当時の皇太后は幸いにも自分の孫と認めてくださったが父親は娘と認めているのか
万が一娘と認められていないまま
このまますくすくと成長し、いつか毒牙にかかってしまったらと
とても心配なさっていた
自分は既にその毒牙にかかり
未熟な身体で子を産んだ経験がある
幸いにも留学から帰った医官がいてくれたおかげで今がある皇后、未熟な身体で子を産むのは危険と知っている
そんな危険で痛い思いを大事な娘にさせたくは無いと思っていた
そこでこう考えた
いっそのこと、運にかけてこの子を後宮という危険な場所から下町の裕福な家に託し、また後宮に嫁がせる
そうすれば関係は大きく変わってしまうが
また会えるのなら、と
そしてそれを公主の乳母に話した
乳母は理解を示してくれ、身内のひとりに協力してもらうことに
このことがバレたら皇后であろうが極刑なのに変わりは無い
だから、バレぬように
慎重に実行した
そして
素朴な巾着には例の簪と手紙を入れ
公主に添えて別れを告げた












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。