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第1話

博士ドクタール・ナウークからの手紙
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2025/06/04 10:00 更新
拝啓 コエ・ゴーラス殿


突然このようなお手紙を差し上げますことを、どうかお許しください。
私の名はドクタール・ナウークと申します。
現在、北方の山間にひっそりと佇む”アボラチェニ村"という寒村に滞在しております。
この村は深い雪に閉ざされ、まるで世界から取り残されたかのような静寂と孤独に包まれております。
ですが__それ以上に、言いようのない不穏さと、何か得体の知れぬ「気配」が、この地を覆っているのです。
滞在中、私は村のはずれにある朽ちかけた神殿へ足を運びました。
その内部には、今では進行も忘れ去られたような古びた祭壇と、埃をかぶった書物が山のように積まれておりました。
その中で、私はある文書を見つけたのです。
それは、この村に々伝わる巫女の預言書であり、そこにはこう記されておりました__
「雪が深く積もる夜、獣の血をひくものが人の皮をまとい、村を彷徨う」
「夜を歩くものに注意せよ。すでにその者は人の中に紛れている」と。
最初は、ただの古文書か、あるいは民間伝承の類かと思いました。
しかしその夜、私は確かに目にしたのです。
月明かりの下、雪原を徘徊する異形の姿を。
それは明らかに人ではありませんでした。
4つ足なのか2足なのかもわからない、不安な足取りで、凍てついた大地を這うように歩いていたのです。
その姿に私は恐怖し、遠くから目を離せずにただ息をひそめておりました。
翌朝、私は恐る恐る村人たちの様子を観察し、話を聞きまわりました。
そして、昨夜の行動について尋ねたところ、その時間帯に確かな証言が得られない者が16人もいたのです。
この村の人口を考えれば、異常というほかありません。
私の勘が告げました。
この村は確かに、「人狼」が潜んでいる__と。
そして、何者かが、何かを隠している。
自分一人では真相にたどり着くことはできません。
どうかコエ殿、あなたの知恵と洞察をもって、この薄氷のような沈黙を破り、村に巣食う闇を暴いていただきたいのです。
すでに村の旅館「リーフマ」には、あなたのための部屋を一つ確保してあります。
どうか一刻も早く、アボラチェニ村へお越しくださいませ。
手紙に村の地図と容疑者リストを同封しております。
2月21日の午前10時にレストラン「カルト―シカ」でお会いしましょう。

この雪が、さらなる犠牲を覆い隠してしまう前に__。
敬具

ドクタール・ナウーク

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