そうしてそれぞれが役目を果たすべく、それぞれの持ち場へと向かって行った
リザードンの背に跨りエクスプローラーズを探すユリナだったが、
なかなか見つからない。
この街から出るため飛び去れば目立つだろうし、
まだこの街にいるはずなんだけど……
と、考えたところで、ユリナのスマホロトムが飛び出して着信を告げた。
加勢しに行くってどこへ……と言いかけたところで、
少し離れたところに見える建物で黒煙が上がっているのが見えた。
……聞かなくても、場所がわかってしまった。
あんな街中でどんぱちやるの、フリードしかいない。
絶対にそうだ、断言できる。
ユリナの呼びかけに応えるように咆哮を轟かせると、
リザードンは翼をはためかせ、黒煙登る建物の方へと向かっていった。
ニャオハを無事に助け出したリコはエクスプローラーズのコニアと相対していた。
ここを切り抜けなければ無事に戻ることはできない。
逃げ道は……ひとつ、やるしかないと拳を握った。
その瞬間、あの時と同じこのはとは言い難いほどの勢いの技がエアームドへと向かう。
それは大したダメージにはならないが、敵の視界を遮るには充分だった。
はっと視線をあげれば、そこにはリザードンに乗って飛ぶユリナの姿が見えた。
そして高度を下げたリザードンから飛び降りると、ユリナはリコへと手を差し出した。
リコがユリナの手を掴み、ユリナがその手を引く。
そしてそのままリザードンへと跨ると、ニャオハとイワンコもそれに続いた。
ひらりひらりと手を振る。
コニアが大量のこのはに苦戦している間に、その姿はあっという間に見えなくなった。
ニャオハ奪還を終えて、日も暮れ始めた頃。
カーテンも締め切られた暗い部屋に、パソコンの明かりだけが仄暗く灯っている。
はぁっ…何を企んでいるのならとユリナは椅子の背もたれに寄りかかった。
しかし、あのペンダントが目的なら彼らはまた攻めてくるだろう。
その時に対抗できるよう、いくつか策を考えておかなければ。
大丈夫、作戦を練るのは得意だ。
コンコン、と扉がノックされたかと思えば、その向こうから声が聞こえる。
慌てて立ち上がって扉を開ければ、そこにはリコとニャオハの姿があった。
にこりと笑うユリナにつられるようにリコも笑う。
すると、百合奈の部屋から顔を出したポケモンが興味深そうに
リコの周りをぐるぐると回ってその姿を見つめる。
ニャオハもまた興味深そうにそのポケモンを見つめては、何かを見る
なるほど、それを言いたくてきたのか。
律儀なところは何とも可愛らしい。
くすくすと笑うと、ユリナはリコに手を差し出した。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!