ガタン ─ … ガタン─ …
と 電車が揺れる
どうやら深夜なので私以外にヒトはいない 。
杜王町 …そんなに田舎なのか …
うぅ 、 優しい会社だといいな 。
眠い … 何日も眠っていなかったんだ
でも 、もう少しで杜王町 … 我慢しよう 。
《 杜王町 ~ 杜王町 ~》
眠っていた …
我慢するとか言いながら … こんなんだから私は 。
何をやってもダメなんだ … 。
うぅ 、 こんなことを考えていたらダメだ 。
電車が止まったので静かに降りる 。
街灯が少ないな ~ …
私は暗い所が苦手なんだ … 。
ゴソゴソッ ── …
猫 …か 、
急に来たから何も手続きが済んでいない 。
とりあえず杜王町グランドホテルに予約した 。
こんな深夜からごめんなさい … 。
キラッ ─── …
今なにか他人の家の屋根から光るものが …
気の所為だ … こんな深夜からそんなのがあるわけない
まさか …お化け !? いやいやそんなの現実にいる訳 …
怖い …早くホテルに行こう
トスッ ── …
自分の胸に激痛が走った
首を下に向けると矢が刺さっている 。
金色に光る矢が …
こんな所で死ぬなんて嫌だよ …
あ …でも もう働かなくて済むのか …?
ダメだ …寒くなってきた 眠い 。
眠ったら死んじゃうのに …
ズルズル ── …
と 金髪の男は女を引っ張っている 。
目が覚めた 。
ここは …?
私が歩いていた道じゃあない 。
外はもう明るい 。
ホテルの予約時間はすぎている
胸 …私の胸は平気なのか ?
あ …傷がふさがっている …
あれは夢だったのか ? いや 、痛みもあったし …
とりあえずホテルに向かおう
体が痛い 。
こんな硬い地面で眠っていたからだ 。
でも久しぶりに眠れたな …
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。